本日は「Blender」のリトポロジーについて、説明していきます。
わかりやすく、画像付きで説明していきます。
(今回使用したBlenderのバージョンは3.5.0です。バージョンによって1部表記が異なる可能性があります。)
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リトポロジーとは
その名の通り、トポロジー(ポリゴンの流れ)を貼り直すことです。
スカルプトなどで作成したモデルはポリゴンが多く、そのまま使用することができない場合が存在します。そのためにリトポロジーでポリゴンを作成しなおします。
デジメート
面を減らすだけなら「デシメート」という方法があります。例えば下のようなモンキーの場合、作成した直後は面の数が500となっています。
ここで「デシメート」モデファイアーを使用することで、簡単に面数を減らせます。例として比率を0.5として適用してみます。
すると、面の数は減っていますがモデルのあごの周りなど、再現性が下がってしまっています。
再現性を維持しつつトポロジーを作成しなおす(リトポロジーする)ことを以降で考えていきます。
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モデルを用意する
今回使用するモデルを準備しましょう。
今回はこちらcgtraderの、こちらのモデルを使用します。「obj」ファイルをダウンロードしてください。
ダウンロードしたら、[ファイル→インポート→Wavefront(.obj)]の順で選択し、先ほどダウンロードした「obj」ファイルを選択します。
すると、面が5,236ある人型のモデルがインポートされます。
リトポロジーの準備
今回は練習として、さきほどインポートしたモデルの頂点をコピーして作成した下図のようなTシャツをリトポロジーして流れを確認してみます。
スナップをONにする
面貼りの準備としてスナップをONにします。スナップ先を「面に投影」に変更し、「個々の要素を投影」をチェック、影響は「移動」「回転」「スケール」すべてにチェックを入れます。
リトポロジーでは形状を維持するのに必要な頂点を維持するように、辺を押し出して新しい面を貼ります。
その際に、元の面との間に隙間ができないように面のスナップをONにします。頂点単位で修正するときは頂点のスナップをONにします。
自動マージ設定をする
自動マージ設定をONにします。
[ツール→自動マージON→しきい値:1]とします。これも前項と同様、頂点が近くに2つ並んで、面に穴が空いたりしないようにします。今回は物体が大きいのでマージのしきい値を大きめにとっています。
下図のようにごく近くに頂点が並んだ場合、通常であれば下記のように頂点が二つ並んで面がおかしくなりますが、
自動マージをONにしておくことで、頂点が統一され面が綺麗に貼れます。
面を貼る
適当な辺を選んで「辺の押し出し」をしてみましょう。
目的の辺の近くまでに押し出していくと、先ほどの設定で辺がスナップされます。
辺を移動させるターゲットは、必要な形状を表現でき、極力面が減る位置に設定します。
今回のオブジェクトは頂点が少ないので効果が感じにくいのですが、下図のようにわきの下当たりは形状が変化しやすいので面を多めに、胴体部分は変化が少ないので形状が保てる範囲で多めに面を貼っています。
このように面を貼りなおすことで、形状を保持したまま面の数を減らすことが可能です。下図の黄色いTシャツ部分が元のモデルから切り出した形状を元にリトポロジーして作成したオブジェクトになります。
綺麗な面の貼り方を考える
綺麗な面貼りですが、基本的にポリゴンの流れが揃っていると良いと思います。下の画像のように、ポリゴンの流れ方向に向かって面がきれいに並んでいると面が思わぬ挙動をすることもありません。
極力四角形を整然と並べられるように作成すると良いでしょう。脇の下のような部分に関しても、整然と平面を並べるのが理想的です。
四角の面貼りと三角形の面貼りの違い
ゲームなどでモデルを使用する場合、四角面を形状をきれいに表示することが可能な三角形に変換することが多いです。(四角形だと面全体が同じ角度になりますが、三角形2つに分割すると周りから自然につながる面を作りやすいため)
そのため、三角形で面貼りをしたほうがより細かく表現でき、かつ再生されるイメージがつきやすいのですが、人間が視覚的に面を貼る場合は四角の方がイメージしやすいですし、作業も少なくて済みます。
まとめ
リトポロジーについて説明しました。今回は作業を簡単にするためと説明しやすいため、比較的面数のすくないデータを使用しているので有用性がわかりにくいかもしれませんが、スカルプトなどで作成したデータでは、今回のデータの顔の部分だけでも20,000頂点くらいある場合もあります。そのような場合に形状の意図を保持したまま頂点数を1,000以下くらいまで削減することができるため、ぜひ活用していただければと思います。
TEXT_ぶたさん/Butasan
EDIT_河内誠/Makoto Kawauchi(Vook編集部)
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