本日は「Blender」のセルルックについて、説明していきます。
わかりやすく、画像付きで説明していきます。
(今回使用したBlenderのバージョンは3.5.0です。バージョンによって1部表記が異なる可能性があります。)
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セルルックとは
セル画などで表現されるアニメ風の質感を再現した表現方法のことです。セル(アニメ)ルック(風)、ということですね。
セル画風表現の場合、リアルに近づけると違和感が発生することがあり、主に「影」と「線」の表現方法でセル画風に近づけていきます。今回はおなじみモンキーに「影」と「線」を設定してセルルックしていきたいと思います。
モデルを用意する
モンキーを追加
[追加→メッシュ→モンキー]を選択して、モンキーを追加します。
「メッシュ」の中にモンキーがない場合はアドオンの「Extera Objects」追加が必要です。別記事で追加方法が解説されているので参照して追加してください。
モンキーが追加されました。ただ、少しカクカクした見た目なので、見た目を変更します。
スムーズシェードをかける
先ほど作成したモンキーを選択した状態で[右クリック→スムーズシェード]を選択します。
表面が滑らかになりました。
ノードを使って影を作る
先ほど作成したモンキーに影をつけていきます。右側メニューから[マテリアルプロパティ→新規]で今回表現するマテリアルを作成しておきます。
また、外観を確認するために右上の[3Dビューのシェーディング→レンダー]に変更しておきます。
カラーランプを使って影を設定する
この後の作業はシェーダーエディターを使用しますので、下側画面を「シェーダーエディター」に変更しておきます。
影を作成するので、「ライト」を追加します。今回は影のイメージに合わせて、下画像の位置にライトを設置。ライト設定は「サン」にしています。
影をくっきりさせる
影をくっきりとさせるために、もともと設定されているサーフェース(プリンシプルBSDFなど)を削除し、[追加→シェーダー→ディフューズBSDF]、[追加→コンバーター→シェーダーのRGB化]、[追加→コンバーター→カラーランプ]の3つを追加し、下図のように接続します。
この状態で下図の設定を「一定」に変更し、上側のバーを左右に移動させることで影の強弱を変更することができます。
影はライトとの関係でできるので、この設定とライトの強さと位置を変更することにより作りたい影を設定します。
影の濃さを分ける
影の濃さを分けるための前準備として、まずは影部分とそれ以外をそれぞれ編集できるように分離します。[追加→カラー→カラーミックス]をカラーランプの次に接続します。(下画像を参照)
すると、下図のように影部を紫、それ以外をピンクで表すことができました。
ここではあえて説明としてわかりやすいように変な色を使用します。
実際に作成する場合はこまめに出来栄えを確認したい場合は実際の色を、動作があっているか確認したい場合はこのようにわかりやすい色を使用して、最後に目的の色に調整するとわかりやすいと思います。
「カラーミックス」の前に[追加→カラー→反転]を入れてやると影部と明るい部分が逆になります。
下図では反転を入れて表現した場合です。カラーミックスの「A:紫」が表面部分、「B:黒」が影になっています。
ここで、「シェーダーのRGB化」から分岐させ、もう1つ「カラーランプ」を追加します。
そしてこの出力を「カラーミックス」のBに接続します。
これにより、先ほどまで影を示していたBの部分を影部と表面部に分けられます。
下画像では肌色部分の周辺にうっすらと黒い影ができています。
いままでBの部分に影と面を分けた情報を入れているので、B部分の色情報は下側のカラーランプで設定しています。(カラーランプ下のバーをクリックするとカラーランプで使用する色を設定できます。)
テクスチャを割り当てる
平面部にテクスチャを割り当てることも可能です。
先ほどの影設定同様、面の部分(下の図ではカラーミックスのBの部分)に、カラーランプの代わりに画像を入力します。
画像はソフト外からファイルをドラッグアンドドロップで、シェーダーエディターの中に入れることで使用できます。
下の例では画像の大きさを調整するために、追加したPNGファイルの「ベクトル」に、「属性」から出した「ベクトル」を、「マッピング」でスケールして大きさを変えてカラーミックスに入力しています。
今回は説明のためにわかりやすい画像を使用していますが、実際にはここで物体の表面の模様(服を市松模様にしてやったり、画像を画面にはめ込んでやったり)を設定してやります。
輪郭を作る
輪郭線の作り方はこちらの記事を参考にしてください。
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まとめ
今回はセルルックについて解説しました。冒頭でも紹介した通り、セルルックとは「セル画のような見た目にする技法」の総称です。今回の説明内容をベースにその絵に応じた加工をしていくと思いますので、まずは今回の内容を身に着け、さらにいろいろな表現を身につけていただければと思います。
TEXT_ぶたさん/Butasan
EDIT_河内誠/Makoto Kawauchi(Vook編集部)
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