【バーチャルプロダクション】走行距離0kmのカーチェイス? 全編を「清澄白河BASE」で撮影した、特別映像を公開|ソニーPCL

2023.05.24 (最終更新日: 2023.05.26)


ソニーピーシーエル株式会社(以下、ソニーPCL)と株式会社TYOは、バーチャルプロダクションのより実践的な可能性の探求のため、全編を「清澄白河BASE」のスタジオ内で撮影した“カーチェイス”コンテンツ『drive』を共同制作し、2023年5月24日(水)13時にソニーPCL公式YouTubeにて公開した。

■概要

同作は、「バーチャルプロダクションを映像制作のあたりまえの選択肢にする」ことを目指し、2020年より同技術の日本国内普及を目指し活動しているソニーPCLと、テレビCMを中心とする広告映像を数多く手がけているコンテンツプロデュースカンパニーTYOの共同プロジェクトとして制作された。

バーチャルプロダクションの手法を一般化するためには、映像制作に携わるスタッフ自身が知見を持つことが必要だという考えの下、技術だけでなく心を動かす映像を作ろうという思いが一致した徳平弘一氏を監督に迎え、プロジェクトはスタートしました。

そして、日本国内のリアルなロケーションでは実現が難しく、技術的な難易度も高い“カーチェイス”をテーマに選択して制作が行われた。

今回使用しているLEDウォールを用いたIn-Camera VFX形式のバーチャルプロダクションは、現実空間にいる被写体と3DCGで構成された仮想空間の背景を、同時に撮影する技術である。仮想空間の背景をリアルロケーションのように撮影することができ、リアルタイムで合成処理を行うことができる。

それにより、編集時間の短縮が期待できるほか、リアルロケーションでは許可が下りないシチュエーションや撮影が難しいアングルなどを、クリエイターが求める効果的な演出方法での表現を実現することができる。

特に、バーチャルプロダクション技術は光の映り込みや反射表現を得意とするため、自動車を被写体とする撮影で世界的に制作事例が出てきている。その中で、走行シーン撮影の安全性、輸送コスト、ロケーションの制限など様々な課題に対応するための解決策としても注目されている。

同プロジェクトでも、反射表現で実現するリアリティ映像表現を追求し、特に車体への映り込みにこだわった。背景CGの制作や品質を追求するための撮影計画に向け、今回は企画段階からゲームエンジンを活用したシミュレーションを重ねた。

それにより初期段階から具体的な完成イメージをスタッフ間で共有できたことは、映像表現のクオリティを一段階上げることにつながった。

■メイキング画像

2台同時に自動車を配置。カメラを動かして撮影することで緊張感とダイナミックさを表現

自動車は停止したままなので、カメラは自由に動くことが可能。今回はステディカムも利用

トンネル内のライトは車体へ映り込む反射素材となり、スピード感とリアルさが増す演出にも効果的に活用できる

自動車の撮影シーンで重要な7:3カット(車体を美しく見せる定番カット)がバーチャルプロダクションで撮影された

▲ コンテンツ『drive』

▲ メイキング『drive behind the scenes』

■スタッフコメント

特別映像 プロデューサー 寺井 司氏(ソニーPCL)
現在普及を進めているこの新しい映像手法を、実際にクリエイターと活用しながら可能性を模索する場をつくりたいといつも考えていました。反射表現を得意とするバーチャルプロダクションは、世界的にみても自動車との親和性が高いと言われています。

今回、プロデューサーの石川さんに相談をしたところ、このプロジェクトが実現しました。これからは、撮りたい場所では撮影ができないなどの制約が生じた時に、バーチャルプロダクションが当たり前に選択肢のひとつに入ってほしいと願っています。

 
エグゼクティブ プロデューサー 石川竜大氏(TYO drive)
自分達が活動している映像制作現場においてバーチャルプロダクションの手法を取り入れることを一般的な手法にしてみたい。プロデューサーとしてこの撮影手法のメリット、デメリットを習得すること。

そして、手法を一般化するためには、全ての撮影スタッフに新しい手法の知見を広げてもらうことが必要なのではないかと考えていました。

バーチャルプロダクションの可能性を追求する今回の映像制作は、数々のチャレンジ案件を共にしてきた徳平監督が適任と考えて、自動車映像を制作する方たちのクラフト魂を刺激することができるような映像を制作したいと考えました。

今回の制作を通じて、多くのスタッフの皆様にご協力をいただき、同時に全スタッフで知見を得たと思います。同時に、制作現場を通してのラーニングをソニーPCLさんにフィードバックして今後の映像制作技術の発展の一端を担えればと思っています。
https://tyo.co.jp/people/tatsuhiro-ishikawa/

 
プロデューサー 阿部知史(TYO drive)
はじめは未知の制作領域だな、と思っていましたが、今回経験させてもらって、普段の撮影とそんなに変わらない点も多いと感じました。安定して毎回同じ背景が流れるので、別の要素を加えることにチャレンジすることができたり、コストや撮影時間も事前にシミュレーションしやすい。

今回のように全てバーチャルプロダクションで撮影するというだけでなく、ロケーション撮影が困難なカットだけバーチャルプロダクションで撮影するという選択肢もあるし、今後も積極的に使って知見を貯めていきたいと思っています。
https://tyo.co.jp/people/tomofumi-abe/

 
監督 徳平弘一
「綺麗にクルマを撮影できる」のその先を目指した。クルマの撮影として難易度が高く表現力が求められる“カーチェイス”を実現することに大きな意義があると考えた。

実際撮影を進めている中で、単体のシステムでは難しいカットも、別のシステムでバーチャルの世界を拡張して補完しあおうとする大きなエコシステムに、可能性と未来を感じた。これを動く書割で終わらせず有機的なものとして活用していくことで、「表現」と「手法」の面白く幸せな関係が生まれると考える。
http://koichitokuhira.com/


◎詳細情報
https://www.sonypcl.jp/kiyosumi-shirakawa/index.html
ソニーPCL株式会社
https://www.sonypcl.jp/

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