Jeff Cronenwethに学ぶエスタブリッシング・ショットの効果

こんにちは。

今回もシネマトグラファーをご紹介してみようと思います。
前回のショーン・ボビット氏とはかなりスタイルの違う方です。

ジェフ・クローネンウェス

ジェフ・クローネンウェスはデヴィッド・フィンチャー監督とのコラボレーションが有名なシネマトグラファーで、構図やライティングがとてもスタイリッシュ。
映画「ソーシャル・ネットワーク」や「ドラゴン・タトゥーの女」、「ゴーン・ガール」では彼のクールで一切無駄のないビジュアルを心ゆくまで楽しむことができます。

エスタブリッシング・ショット

今回注目したのは、彼の「エスタブリッシングショット(状況説明のショット)」です。
映画やドラマでよく見る、建物や街の俯瞰ショットなんかのアレですね。
普通だと、ただの地味な状況説明(もしくは大味な説明!)に終わってしまうところですが…

さすが匠、技が光ります。

「ドラゴン・タトゥーの女(2012)」を例にとって見てみましょう。

カレンOが歌う「移民の歌」のダークなOPタイトルがすごく印象的な作品です。繰り返し見るたびに発見がある本当によくできた作品で、未見の方は是非オススメですよ。

この映画では、4回に渡って同じ画面構成がリピートされています。
それが劇中で登場する、スウェーデンにある島と本土をつないでいる橋を捉えたショット。




映画の中で季節が移り変わっているので、景観はかなり変わってますが構図は同じ。

上から順に、
①大雪
②雪は止んで白銀の世界
③雪解け(日中)
④完全に雪解け(夜)
の順に変化しています。

実はこの雪に閉ざされた景色の変化は、完全に作劇上のメタファー。ダニエル・クレイグ演じるジャーナリストが忌まわしい事件を追うなか要所要所で登場し、事件の真相に近づいていることを暗示します。

エスタブリッシング・ショットは地味ですが手間がかかります。画面の情報が極端に多くて、季節や天候など条件が揃わないと撮影することが出来ないからです。そのため、ストック素材をサクッと使うケースも多いですよね(とはいっても、フィンチャー作品では最新VFXで画面に映る全てが完全に統御されていますが)。

今回のような使い方は、物語を前に進めるのにとても効果がある上、観客にもストーリー展開を無意識に訴えかけてきます。

映像の文法が持つ効果を深く理解していないと出来ない、洗練された表現ですね!

おまけ


Digital Domain社によるVFX集です。
橋のシーンも、手間がかかっていて面白いのでぜひご覧ください。

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