雑なトーク番組の静音にはダイナミックス操作が簡単で良い

どうも、本職はウェブ制作なのに、最近いろんな人から「え、ウェブの人だったんですか?」って言われるようになってきた川嶋です。
メインの収入源はウェブ制作な点では変わりないのですが、だいぶ動画編集に割く時間が増えてきたんですよ。といっても、メインの活動場所はYouTubeのほうで、そっち向けのコンテンツを作ってるのが非常に楽しいんですよね。

んで、最近「ウェブ屋の休日」というトーク番組を始めたこともあり、今までとは違う機材構成やセッティングで撮影を行なっているんですが、このトーク番組の収録というのが結構大変なんです。特に大変なのが音。というか、声。一言一句が決められたものではなく、そのときの雰囲気や気分で話していくので声の音量が突然大きくなったり、逆に小さくなったりするんですよ。これをこのまま動画化すると、やたら笑い声がうるさかったり、逆に全く声が聞こえなかったりと、散々な状況になってしまいます。

今までなら、音量が不適切な部分の前後をカットして、該当部分だけボリュームエフェクトをいじって調整する、ということをしていたんですが、これが結構面倒くさい。10分のトーク番組でも、再生…調整…再生…調整と繰り返していると、軽く数時間かかったりします。あと、Adobe Premiere標準のボリュームエフェクトは、増音が+6dbまでしかできないので、往々にして不十分なんですよね。

そんななか、せめてもう少し簡単にできる方法はないかと調べていて、今回やっとそれを見つけたので紹介したいと思います。

ダイナミックス操作エフェクト

今回、使ってみるのは「ダイナミックス操作エフェクト」というものです。Adobe Auditionに搭載されているエフェクトなんですが、最近ではAdobe Premiereから直接使うことができるようになっているみたいですね。このエフェクトの「細かい使い方」までは把握しきれてないんですけど、ざっくり言うと「音量の調整を、トーンカーブのように定義し行なうことができる」って感じのものです。たとえば「-20dbの音は-10dbまで引き上げ、-10dbの音は-4dbあたりに、逆に-3dbを超えるものは-8dbまで落とす」みたいなことができるようになります。もちろん、ノイズなどの小さな音はさらに落として無音化することも可能です。

図1:ダイナミックス操作エフェクトパネル

百聞は一見にしかず。実際に上記の動画で収録した音声と、補正した音声を聞き比べてみましょう。せっかくなので、単純に全体ボリュームを上げたものとも比較してみます。

収録した音声そのままのものは、やはり会話と笑い声のボリューム差が大きく感じますね。レベルメーターを見ても、ぎりぎりオーバーしていないくらいです(オーバーせずにすんだのは、たぶん収録に用いたDR-701Dのリミッター機能のおかげ。やはりTASCAMのレコーダーは優秀だわー)。
会話を聞きやすくするため、全体ボリュームを+12dbほどあげたものは、確かに会話は聞きやすくはなったけど、やはり笑い声の音量がオーバーしてて、ピークサインが赤く点灯しているのが見えますね。これの対策をするためには、オーバーしている範囲のみ選択して、音量を下げてやる必要があるんですが、先にも言ったとおり、これがまぁ数が多ければただただ大変な作業なわけで…
そんな中、最後に流しているダイナミックス操作による音量調整のものは、会話部分を引き上げるだけではなく、笑い声くらいの音量をさげるように設定しているので、(ざっくり設定してしまったこともあり、だいぶ違和感あるけど)会話と笑い声の音量差がだいぶ詰まった感じに聞こえる。たった1つのエフェクト適用で、これが実現できる、というのはとても便利だ!

とはいえ、(これまたざっくり設定してしまったこともあり)増音した部分のノイズが強まっているなぁという感じがある。この辺はうまくチューニングすればある程度はなんとかなるだろうし、あとは諸君の頑張り次第である!

ダイナミックス操作エフェクトの「設定タブ」について

ダイナミックス操作エフェクトには、カーブを描くための「ダイナミック」タブの他に、この音量を変えるためのカーブの反映に関する細かい設定ができる「設定」タブがあります。いくつかまだ分かっていない設定もあるので、ここで細かく説明することはやめておきますが、たとえば「入力ゲイン」をあげておけば、カーブを反映する前の音量を一律で変え、「出力ゲイン」をあげておけば、カーブ反映後の音量を一律で変えることができるっぽいです。たまになんか思い通りの挙動をしてくれないので、もしかしたら違うかも…?

参考リンク:振幅および圧縮エフェクトを調整する

ダイナミックス操作エフェクトは万能ツールとなり得るか?

そんなわけで、ダイナミックス操作エフェクトについて、簡単に紹介しつつ、その便利さを知ってもらったわけだけれども、このエフェクトは気軽に多用していいものかどうか、と問われると、正直難色を示さざるを得ないかなーというところです。
ダイナミックス操作エフェクトのアルゴリズムについて把握しているわけではないので、明確なことはいえないんですが、先のサンプルを聞いてもらったとおり、単純に適用しちゃうとノイズまで大きくなってしまうのです。また、そもそも、ある瞬間において同時になっている大きい音と小さい音とを判別し、対象の音量のみを変更する、というのは原理的に無理な気がするので、あくまで目的の音量の音と同時に、他の音がなっていない場合において有効である、と考えた方が良さそうかな、と。あと、実際の音は急激に生じるものではなく、なめらかに音量が変化していくものなので、その上昇もしくは下降時の音量にも影響を及ぼしているかもしれない。

個人でやっているトーク番組など、音質や画質へのこだわりは二の次にできる場合においては、ある程度気軽に使いつつ、それと併せてちょっとした整音をしてあげる、というのが良さそうだけど、大きな予算が動くような、品質 is Bestな状況では、このような小手先のテクニックを使うことは前提にせず、収録段階でいかにキレイに録るかに神経を使って、それでもどうしようもない部分だけエフェクトを用いていく、という風に考えた方がよさそうだと感じた。

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