[DaVinci] 同系色なパレット(モノトーン)を使った映画っぽいルックを作成する方法

モノトーンで映画的なルック作り

今回は海外映画でよく見かける全体的に黄色に偏った色味のルックを作ってみました。デビッドフィンチャー監督の「Zodiac(2007)」を含む多くの作品だったり、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「複製された男(2013)」簡単に色温度だけ変えたり、プライマリーだけで作業しようとするとうまくいかない場合の多いルックで、やり方はRGBミキサーを使ったり、スプリッター/コンバイナーノードを使ったりすることで作ることが出来ます。

元素材を色補正

今回はblackmagicのURSA Mini Proで4KでCinemaDNGでRaw撮影しました。以下がデコードした状態の映像です。これではフラットなので、まずはコントラストと彩度を調整して色補正します。

色補正

色補正が完了してスキントーンや背景色などが美しくなりました。コントラストも十分にとれていて、これでもインタビュー動画などには使えますね。ただし今回は映画っぽいルックを作るという前提のもとで敢えて、ここから色相を圧縮していきます。

服の彩度を微調整

色補正をした素材を見て最初に気になったのは、モデルさんの着ている服の色が非常に明るく表現されていることでした。そのためマスクとクオリファイアーツールを使ってモデルの女性の服装だけを選択して彩度を下げました。

グレーディング

色相の圧縮

ここからが本格的なグレーディングの工程になります。今回のルックであるモノトーンとはモノ+トーナリティの略語で、要は「1つの色相に限った」という意味です。今回は色相をスキントーンの方向に圧縮していく作業を行うために、スプリッター/コンバイナーノードを追加します。スプリッターから分かれている3つのノードは上から順番にR(赤)G(緑)B(青)です。

スプリッター/コンバイナーノードを使うと画像のチャンネルをRGBに分けて作業することが出来ます。この場合全体的に黄色の同系色に色を圧縮するためにB(青)チャンネルを使います。今回はB(青)チャンネルをプライマリーバーで以下のように編集しました。

G(緑)チャンネルはスキントーンに及ぼす影響が大きいので、出来るだけ触りませんが今回はちょっとだけグリーンを抑えて肌を少しだけ黄色と差別化するためにG(緑)チャンネルのハイライトだけ編集しました。

結果的に以下のように色が歪みルックが構築されました。

ここまで使ったノードツリーは以下の通りです。

カスタムカーブで映画っぽく暗く表現

次にカスタムカーブを使ってハイライトを下げ、全体的に落ち着いた明るさにします。カーブは以下のように調整しました。

これだけで急に映画のルックっぽくなりました。この際に気をつけたことは、彼女の顔の発色の良さを失わないように気をつけること。全体的な明るさは下がりましたが、彼女の顔のパーツでも明るい部分がちゃんと明るさを保ち、しっかりとイキイキとした健康的な肌に見えるように気をつけてハイライトを調整します。

抜け感を出す

ここまでの工程を終えて最初の色補正した映像と見比べると、どうしても全体的に2次元的な映像になってしまいます。つまり奥行きが減ってしまいます。これは色を圧縮したために、視覚的に奥行きが知覚しずらくなるためです。

それを解決する手段として、構図上で彼女の左手奥から光が溢れてきていて彼女の顔を照らしているように見せる工夫を凝らすことで、少し奥行き感というか、抜け感とも言いますが、映像に3次元的な要素を取り込みます。

方法として今回はアウトサイドノードを上手に使い、画面左を明るく、画面右を暗くすることで、光の方向性を示すことにしました。


画面左方向をマスクで選択し、明るくする。


アウトサイドノードを使って、画面右方向を暗くする。

これで今回のルックの完成です。全体的にしっかりと落ち着いた色味が完成しました。

最終的なノードツリーはこんな感じになりました。

ベクトルスコープでBefore/Afterを比較

最後に色補正した映像と、グレーディングをした映像のベクトルスコープを見比べてみましょう!最初のベクトルスコープが色補正が完了したグレーディング以前のもの。そして2つ目がグレーディング後のベクトルスコープ。色相が圧縮されて、同系色の方向へと全て移動しているのが分かります。こうして色味を統一することでルックに安定感を持たせることが可能になります。是非試してみてください。


色補正が終わった状態のベクトルスコープ / グレーディング前


グレーディングが終わった状態 / 色相がモノトーンに近づいているのが分かる。

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