DaVinci ResolveでのGPU選び【何を基準にしてGPUを比較するのか】

はじめに


(実際に使っているGPU(AMD HD7750、数年前のエントリーモデルなのでそろそろ厳しくなってきた.)
今回は現在使っている自作パソコンのGPUを交換して快適な編集をするために、どのカードを選べば良いのか調べた内容をシェアします。具体的にはDaVinci Resolveでの4K編集を念頭においていきたいといきます。自作やBTOメーカーに注文をする時のGPU選びの目安になれば幸いです。GPUの処理能力を選ぶ指標と、プロ向け、民生向けのGPUの違いが重要なポイントだと感じたのでそこを中心に紹介します。

今回の記事執筆に当たってはBMDさんのノート
『DaVinci Resolveで快適カラーグレーディング〜自作ワークステーション講座 〜(前編)(後編)』


を参考にさせていただきました。
こちらではDaVinciResolve用の自作ワークステーションの構成について解説されています。
こちらも自作ワークステーションを作る予定の方は必見です。
またこの記事を書いている途中でBMDのさんよりもう一本記事が公開されたので、これも参考にさせていただきました。

GPUとは何か再確認

GPUとはパソコンの中では画像などの並列計算をする装置です。CPUとの違いはCoreの数です。CPUは性能の高いコアを少数積んでいますが、GPUは性能が高くないコアを大量に積んでいます。
コアをNVIDIAではCUDAコア、AMDやインテルではシェーダープロセッサーと呼んでいます。呼び方は違いますが、これらは基本的には同じです。

GPUは画像や動画の表示のために使われていました。現在では並列計算を高速ですることができる特徴を活かした利用が進んでいます。これはGPGPUと呼ばれており、CPUの計算を助けて更に高いパフォーマンスを出すために使われています。(例:仮想通貨のマイニングなど)

GPUにはプロ向けと民生向けがある

GPUには大きく分けると、民生向けとプロ向けの2種類があります。民生向けはNVIDIAのGeForce、 AMDのRadeonがあります。これらのGPUはPCゲームなどで使われているイメージが強いと思います。プロ向けだとNVIDIAのQuadroやAMDのFire Proがあります。プロ向けGPUは3DCGソフトやCADで使われているイメージが強いと思います。プロ向けGPUは民生向けGPUよりも値段が全体的に高いです。

DaVinci ResolveでGPUは何をするのか

DaVinci ResolveはGPUベースのソフトウェアのため、ほとんどの機能をGPUが担当しています。CPUはエンコードやデコードの時以外はあまり使用されません。
このためDaVinci Resolveにおいては GPUが重要な役割を持っています。

GPUにCUDAやOPEN-CLといった中からどれで処理をさせるのかDaVinciでは選ぶ事ができます。初期設定では自動選択になっているので、不具合などがない限りはそのままで問題ありません。

Davinci ResolveでのGPU選び

Davinci Resolveでは民生向け・プロ向けGPUの中でどんなGPUが良いのか紹介します。

カードの性能はどうやって表すのか

まずは、カードを比べる前に、その性能の比べ方について考えたいと思います。
コンピューターの性能はFlopsという単位で表すことができます。
FLOPSはFloating Point Operations Per Second の略で、コンピューターで1秒間に処理可能な浮動小数点演算の回数を示す理論上の単位です。(難しい。。)
現在はT(テラ)FLOPS*1単位の能力のあるグラフィックカードが登場しています。グラフィックカードにおける理論上のFLOPS*1はコア数×動作周波数×2で求めることができます。この数値が高いほど Davinci Resolveでは快適な編集が期待できます。

ベンチマークサイトで比べましょう

しかし、このFLOPSの計算って大変ですし、もう少し楽に比較する方法が無いか考えました。
そして気づきました。これってベンチマークを基準にして比べればいいんです。
パソコンの性能を比較するサイトは色々あり、有名なところだとPassmarkなどがあります。
これの結果をみればどのカードの方が高性能なのかは、だいたい判断できます。

GPUは民生用を使うのがハイコスパ

GPUを選ぶ時はゲーム用などで使われる民生用カードを使うのが費用対効果が高いです。
例えば、NVIDIAの民生用フラッグシップモデルであるTitan XPの処理能力は12TFPS*1です。プロ向けのフラッグシップモデルである QUADRO P6000 の処理能力も12TFPS*1です。しかし値段としてはおよそ3倍程度の差があります。このため単純な性能でみれば民生用の方が優れた費用対効果が期待できます。

プロ向けGPUの優れている点

次にプロ向けGPUをDaVinci Resolveで利用するメリットを紹介します。

具体的には、2つの優れた点があります。1つ目は民生向けと比べて多くの画面を一枚のGPUで出力することができます。多画面で編集される方には便利な機能であると思います。
2つ目はディスプレイの表示色が多いことです。民生向けのGeForceでは各色8bitでしか出力できません、しかしQuadroであれば10bitで出力することができます。カラーが重要となる Davinci Resolveではここは重要な要素になると思います。

またプロ向けのGPUの優れている点としてはECC(自己修復機能)のついたメモリを搭載しているものがあることです。自己修復メモリはエラーが発生しても自分で修復することができるので重大な不具合を事前に防ぐことができます。しかしECCメモリ搭載ではないパソコンも相当数稼働しているので、その分性能の高いカードを導入した方がエンコード性能などで費用対効果が大きい場合も多いと思います。

編集別おすすめGPU


DaVinci Resolveで重要になるのは高いFLOPS、もっとざっくり言えばベンチマークサイトで高い数字のもののほうが高性能を期待できます。

予算に余裕があるのであれば、民生向けのフラッグシップモデルであるTitan Xp(20万円前後)がおすすめです。こちらは日本での販売がほぼないので、輸入などが必要になりそうです。CinemaDNG RAWで4K60Pでも対応する能力が期待できます。もしProres422HQで4k60Pの編集であればGTX1080(7万円前後)の9TFLPOS程度で、30PならGTX1070(5万円前後)の6.5TFPS前後の性能で快適な編集が期待できます。AMDのRX580(4万円前後)もこれに近い6.2TFLOPS*1の能力があるので電力消費量やコストを考えて検討する必要がありそうです。
BTOでそれぞれのGPUを搭載したパソコンを買うと、Titan Xp搭載モデルだと40万円前後、GTX1080搭載で20万円前後、GTX1070搭載で15万円前後からで販売されています。
(価格は全て2018年3月記事執筆時点のものです)

GPUの複数枚利用に関して

更に高い性能などを求める方の中には、GPUを複数枚利用することもあると思います。DaVinci Resolveでは、無償版では1枚までしか利用することができませんが、有償版ではマルチGPUに対応しています。マルチGPUでは、搭載されているGPUを統合的に利用することができます。マルチGPUを利用するためには、環境設定のシステムにあるハードウェア構成で、「ディスプレイGPUをイメージ処理に使用」にチェックをいれます。

SLIやCross FireといったGPUメーカーが出している機能をDaVinci Resolveでは使用しません。トラブルを避けるためにこういった機能は無効化して利用することがおすすめです。演算に使用するGPUの性能が異なると、性能の低いGPU方の力しか出ない可能性があります。このため2枚のGPUを演算に使用する場合は、なるべく同じ能力のGPUが望ましいです。またGUI用に性能の低いカードを利用して、性能の高いカードを演算だけに使うこともできます。

カラー表示能力は再生機器で解決する

民生用のグラフィックカードの弱点は、8bitでしかモニターに出力できないことです。
正確な色が求められる場面では業界標準である10bitでモニターに出力できるのが望ましいケースもあると思います。
これには、BMDのUltra StudioやDeck Linkといった再生機器で10bit出力をすることで対応します。
再生機器ではグラフィックカードの性能に関係なく10bitや12bitで再生をすることができます。最上位機種のUltra Studio 4K Extreme 3(最上位モデル)では12Gb-SDIで4:4:4出力が可能です。

まとめ-GPUの性能を最大限引き出すために-

今回紹介したFLOPSはあくまでも理論値です。現実に於いて高いパフォーマンスを出すためにはGPUの高い性能だけではなくストレージや冷却などでも、最適な環境でパソコンを動作させる必要があります。

また筆者の場合はGTX1070でも予算オーバーでした。このためよりクラスの低いGPUでもどれくらい編集ができるのか検証をしていきたいと思います。

*1単精度において

参考リンク

DaVinci Resolveで快適カラーグレーディング〜自作ワークステーション講座 〜(前編)(後編)


https://www.videocardbenchmark.net/

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コメント

  • tatoo

    tatootatoono

    18.09.22
    私はdavinci15でスタビライゼーションんをしようと思いましたが、GPUアクセレーションを選択してやるとできません。クラシックスタビライズならできます。そこでグラボに注目すべきかと思ってます。
    CPUi76700 で グラボ はGTX960 なので役不足なのかなと思っているので、この記事も参考に検討しようと思ってます 有難うございます
  • Gaku

    Gakugaku

    18.09.26
    コメントありがとうございます。
    ResolveはGPUがPremiereなどよりも重要なソフトです。GTX960だと4Kなどを編集するにはパワー不足かもしれないですね。入れ替えるならいまだとGTX1080などが安くなってきているので狙い目かもしれないです。記事が参考になれば幸いです!
  • technologybox
    はじめましてこんにちは。
    ダヴィンチで4k30pで動画編集を考えています。
    快適に使えるグラボの中で最も安いのはどれでしょうか。
    現段階ではバルクのrx470,8gを考えています。
    CPUはryzen9メモリは32gなので他が足を引っ張ることはないと思います。
    よろしければご教授くださいください。
  • Gaku

    Gakugaku

    19.08.27
    コメントありがとうございます。
    GPUスペックと対応解像度については、Blackmagic Designの公式記事が参考になると思うので、こちらをご覧いただけると幸いです!
    https://vook.vc/n/184
    4k30pであればAMDよりもGeforce系統でRTX2060などが現行機種では良いかもしれません。
    AMDのカードはコストは低くて良いのですが少し力不足になってしまうかもしれないです。