CC2019で新装備!「リバーブ除去」

声(言葉)を不明瞭にする要因は色々ありますが、なかでも収録した空間の「残響」は、出来るだけ抑えた方がよりタイトな音像を得られます。

残響の除去に大きく活躍してくれるのが、AdobeのPremiere Pro及びAuditionのCC2019以降に装備されたエフェクト「リバーブ除去」。今回は、リバーブ除去の実力検証と、他エフェクトとの併用で声をさらに明瞭にするテクニックをご紹介します。

今回はAuditionの画面で解説しますが、Premiere Proでもエフェクトの名前や設定は同じです。

まずは動画で、実際の音声をチェックしてください!

高級なツールとも張り合える!「リバーブ除去」の実力

リバーブ除去のインターフェイスは、同時に装備された高性能ノイズリダクション「クロマノイズ除去」(こちらの記事を参照)とほぼ同じ。基本的にはフェーダーを1本動かして量を設定した後、フォーカス(強調)したい音域を選ぶだけです。

動画中、階段室の音声で用いたセッティングがこちら。残響が大幅に抑えられ、聴きやすさが向上しているのがわかります。量は入力ソースによって異なりますが、聴きながら不自然にならないポイントを探すだけなのでとてもカンタンです!

ちょっと意地悪ですが、高性能なオーディオ修復専用ツール「iZotope RX7」の同等機能「De-Reverb」とも比較してみました。RX7の方が高域や全体的なニュアンスを上手く残していますが、リバーブ除去は背景音も同時に抑えられ落ち着いた印象になるので、良し悪しというより「ケースにより使い分け」できるレベルです。

RX7は、De-Reverbの入った最も安いエディションでも4万円台、フルバージョンは14万円以上するツールなので、リバーブ除去は標準付属のツールとしては非常に優秀といえるでしょう。

他のエフェクト併用でさらに明瞭に!

リバーブ除去の性能は優秀ながら、残響が問題になるケースの多くは音源(話者)とマイクの距離が離れている場合が多く、残響の除去だけでは根本解決に至らない場合も多々あります。

動画後半の、リビングルームで収録した素材で、他のエフェクトとの併用例をご紹介しましょう。

リバーブ除去の設定は上記の通り。響きは抑えられますが、声の線が細く聴きづらい状況に変わりはありません。

まずは「パラメトリックイコライザー」で音質を補正します。音源から離れると、エネルギーの弱い高域がだんだんと減衰し、同時に近接効果(マイクに近づくほど低域が強調される現象)も弱まるので低域も少なくなります。声の成分中でこれらにあたる、息づかいの部分、及び低めの部分を強調します。

イコライザーは「カットする」のが原則なので、中域(970Hz付近)を下げた上で、150Hz、8000Hz付近をほんの少し上げて山になるようにしました。一方、100Hz以下の低域は逆に邪魔になるので、なだらかに減衰させてあります。

この数値は男女や個人差によっても変化しますが、距離を置いて「ペラペラ」になった音声の輪郭をとりあえず強調するには、概ね同じような設定が使えます。

今回の音源では、そのまま音量を上げると最後に打った手拍子でレベルオーバーしてしまうので「ハードリミッター」を上記のような設定にし、手拍子だけ抑えた上で音量を底上げしています。大幅にリバーブ除去した音源は、コンプレッサーを使うと音の切れ際が不自然になりやすく設定が難しくなっていますが、ハードリミッターならば簡単な設定でも破綻を感じさせずに仕上げられます。

レベルの上昇によって背景ノイズも目立ったので、「クロマノイズ除去」も適用。単一で使用するよりも音が不自然になりやすいので、控えめに適用します。この段でも、残響感が若干弱くなります。

響きは「上手く残す」のを意図しよう!

背景ノイズと同じく、残響も「本来、あって当然」のものなので、過剰にカットしようとすると不自然になる場合も多々あります。ナレーションなど空気感を完全にカットしたいものを除いては、「残し具合」の方がセンスを問われる部分となります。

また残響は、スピーカーとヘッドフォン、そしてスマホのスピーカーなど、聴くデバイスによって大きく雰囲気が変化する要素でもあります。是非、色々な環境でチェックしながらコツをつかんでください!

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    コメント

    • あるた
      参考になりました!ありがとうございます!