あなたは思わず撮影にでたくなる機材を持っているだろうか?
Sigma 18-35mm T2はそんな機材のひとつである。
値段や重さから気軽にホイホイ持ち出して使うレンズではないはずなのに、撮りに行きたくなってしまうのである。画質がどうのこうのという理由ではなく、手に持つとズッシリとしていて金属の塊を感じ撮る気にさせられるレンズで、「もっと血を吸わせろ」という妖刀のように「もっと映像を撮らせろ」と囁く恐ろしいレンズである。
ちなみに私はシネレンズというのに触れるのは初めてである。
Vookの機材試用プログラムVook tryでお借りできるということで試してみた。
シネレンズにはシネマカメラということでBlackmagic Design URSA mini Pro 4.6Kとの組み合わせで撮影を行った。
写りは言うまでもなくとても良い。ただこれはシネマレンズだからと言うことではなくSigmaのレンズ(特にArtレンズ)は全体的に良い。このレンズもSigmaならではのキレとしっとり感がある。グルメレポーターのように言葉が達者ではないのでうまい表現は出来ないが、Artレンズ譲りの良い雰囲気が気に入った。
私がこのシネマレンズに触れて良いと感じた点はリングのスムーズさである。
各リングにヌメヌメっとした適度な粘りがあり、私の持っている35mm F1.4 artと比べても扱いやすい。特にリングの回し始めや止める時のスムーズさが良い。カクカクした急なフォーカシングにならず初動と停止がとても滑らかである。フォトレンズだと回し始めや終わりにほんの少しのガタや抵抗感があるが、このレンズにはそれがないのである。URSA miniの山のつかみやすいモニターと合わせて使うとドンピシャにピントを合わせることができる。ピタリとフォーカスを合わせられるというのは映像を撮る上でとても重要なポイントの一つだと思う。ピントが合わなかったのでもう一度というのは現場ではツラい。フォローフォーカスなどの機材があればさらにスムーズにピントを合わせられるであろう。
このレンズは撮影時の失敗の可能性を極力減らすプロの道具だと感じた。
機会があれば触ってみることをおすすめする。
試用にあたってSigma 18-35mm T2をメインに桜の撮影を行った。
他に使用したレンズ
Sigma 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
Canon EF100mm F2.8LMacro IS USM
Yasuhara NANOHA
井上卓郎@happydayz
北アルプスの麓、長野県松本市を拠点に、自然やそこに暮らす人を題材とした映像作品を自然の中にゆっくり溶け込んで撮影しています。 山と猫をこよなく愛す。 DaVinci Resolve 17 認定トレーナー VIDEO SALON 「今日からあなたもダビンチ推し」...
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