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文字を斬れ!テロップに演技をさせるシリーズVol.01

叫んでいる⼈の⼝元からテロップが⾶び出して画⾯の外へ⾶んでいく。
怒っている・驚いている時は、ブルブル震えながら出てくる。
テロップの動かし方ひとつで、感情や状況を伝えることができます

そんなような演出を「テロップに演技をさせる」と僕は⾔います。(今、考えました)その中でも今回は、「⽂字を斬る」方法です。

まずは動画で雰囲気をご確認ください。

作り方をひとことで表すと、【文字にマスクをかけて2つのパーツに分けてズラす】です。

今回はPhotoshopでテロップを作り、Premiere Proで動かす流れをご紹介します。

ちなみに作例として使った映像とテロップ素材を用意しました。自分でもやってみたいなという方は下記からダウンロードしてみてください。

作例素材ダウンロード
https://nakadouga.fanbox.cc/posts/2662900

斬るべきテロップを用意

まずはテロップを作りましょう。

今回の作例では、CGのキャラクターが刀を振り下ろす映像に合わせるという事で、コミカルで和風な書体を使い、さらに斬撃エフェクトも加え、デザイン自体にも雰囲気を盛り上げる工夫をしています。

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スマートオブジェクト化する

作例のように装飾がたくさんある場合は、スマートオブジェクトにしておくと便利です。

スマートオブジェクトとは?
After effectsでいうプリコンプ。Premiere Proでいうネストのようなもので、元のレイヤーを壊さずにひとつのレイヤーにまとめることができる機能。拡大縮小したり、傾けたりしても、元の状態に戻すことができる。

ひとつにまとめたいレイヤーを全て選択した状態で、レイヤーパネル上で「右クリック」→「スマートオブジェクトに変換」を選びましょう。

これで複数のレイヤーがひとまとめになりました。

マスクをかけて2つのパーツに分ける

ここからは文字を斬った後の表現をしていきます。使うのは「多角形選択ツール」。刀の軌跡に合わせて、左上から右下に向けてダイナミックにマスクをかけましょう。

納得いく選択範囲が取れたら、レイヤーパネルの下部の「ベクトルマスクを追加」ボタンを押します。

これで選択した範囲のみが表示されたかと思います。続いてはこのレイヤーを複製します。

ショートカット:レイヤーを複製
mac : ⌘+J
win : Ctrl + J

複製できたら、もう片方が表示されるようにマスクの範囲を反転します。レイヤーパネルのレイヤーマスクサムネイル部分をクリックし、レイヤーマスクをアクティブにします。その状態でマスクを反転させましょう。

ショートカット:階調を反転
mac : ⌘+i
win : Ctrl +i

これで上下に分割したパーツがそろいました。

注意:この方法でマスクを切ると、それぞれのパーツの境界にスキマが空いてしまいます。これを隠すためにそれぞれのパーツを移動させてスキマを隠すようにしてください。

参考映像では刀を振りかざすアクションに合わせてテロップを動かしました。ここからはPremiere Proでの作業です。

Photoshopで作ったpsdファイルをPremiere Proでに読み込みます。今回はすでにPhotoshopでパーツ分けしたものを用意していますので、刀を振り抜くタイミングでテロップを動かすという工程です。

刀とテロップがぶつかりそうなタイミングを探す

映像を再生して、「この瞬間にテロップが出てきたら、気持ちいいだろうな」というタイミングを探します。

テロップが実際に刀で切られたように見せることが、この演出の狙いですので、刀とテロップがぶつかりそうなところでイン点を打ちます。そこがテロップが斬れるタイミングとなります。

テロップを2つのトラックに載せる

Photoshopで用意したテロップを2つのビデオトラックに載せましょう。今回はキーフレームを使って動かします。

刀の衝撃を表現するために、ファーストインパクトは短いキーフレーム間隔で、たくさんの量を動かします。これでスパッと斬れた印象を作ることができます。さらに1フレーム刻みに細かい振動を加えることで、インパクトを与えようという寸法です。

さらに映像の終了まで「ジワーっ」と動いてほしいので、先ほどとは逆に長いキーフレーム間隔で、少しの量を動かします

最後にもう片方のパーツを逆のベクトルに向けて同じ要領でキーフレームアニメーションをつけてください。
2つのパーツを大きく離しすぎると、文字として読めなくなってしまい、違和感の方が大きくなってしまうのでご注意ください

以上で完成です。

ということで、今回はテロップを斬るという表現をご紹介しました。テロップのデザインだけでなく、動かし方にひと工夫加えることでもいろんな状況や感情を表現することができます。

【お知らせ】
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nakadouga

ナカドウガ@nakadouga

テロップ漫談家です。 【FANBOX】https://nakadouga.fanbox.cc 【BOOTH】https://nakadouga.booth.pm

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