前回はFusionのインターフェースとコンポジションについてご案内しました。今回はインターフェースの中でも最も作業によく使う箇所、フローエディターをご紹介します。
フローエディター
フローエディターは Fusion の基幹となる作業場であり、ディスプレイビューの下に表示されています。フローではコンポジションの構造がノードで明らかにされています。それぞれのツールはタイルとなって表示され、タイルとタイルの間は接続線により関連性を示しています。
この作業場はフローという名前が付いていますが、その理由は、接続されたイメージがパイプ を通る水のように動くからです。このパイプを通るイメージの流れ(フロー)を見ているだけで、コンポジションの全貌が直感的に把握できるようになっています。
このフローエディターには非常に優れた柔軟性があり、それぞれのツールを自由に接続できるだけでなく、ブランチング化やグループ化にも対応しています。
以下の図は簡単なフロー例を示しています。このフローでは Loader ツールでフッテージがインポートされた後、Color Corrector ツールを通り、最終的に Saver ツールで処理結果がファイルとして保存されるようになっています。
次の例はもう少し複雑なフローを示しています。ここでは Loader でインポートされる素材も複数になり、3D 関連ツールやブランチング機能(1つの出力から複数の入力に接続する機能)も活用されています。
表示方法
フローエディターは新たなコンポジションを作成するとデフォルトで表示されます。ただし同じ場所でスプラインエディター、タイムラインエディター、コンソールなどのタブが使用できるため、もし別のタブを使用している場合には、フローエディターに戻るには Flow のタブをクリックします。F5 のキーボードショートカットでもフローエディターのタブに戻ることができます。
レイアウト
フローエディターはリサイズに対応しています。ディスプレイビューとの境界線にポインターを移動すると、境界線がドラッグによって調整できるようになります。
移動
フローエディターの中を移動するには次の方法があります。
- マウス → 中ボタンを押しながら移動。
- タッチパッド → 2 本指で移動。
- ナビゲーター → フローエディターがすべてのタイルを表示しきれない場合には、右上にナビゲーターが表示されます。ここでフローエディター内の移動をすることができます。
拡大と縮小
フローエディターで拡大や縮小をするには次の方法があります。
- マウス → 中ボタンと左ボタンを押しながら左右に動かします。
- タッチパッド → Control を押しながら2本指で左右に動かします。
- キーボード → +もしくは-で拡大と縮小。Command (Ctrl) + 1 で 100%の縮尺になります。
- コンテクストメニュー → ビューワーを右クリックして、コンテクストメニューの Scale から縮尺を選択できます。
タイルピクチャーの表示
フローエディターではツールタイルをサムネイル表示して、ツールのイメージアイコンやツールの出力画像を表示させることができます。これらのサムネイル表示はフローの流れを可視化する上で効果を発揮します。
タイルピクチャーは、フローエディターを右クリックしてコンテクストメニューより表示することができます。タイルピクチャーの表示方法には4種類の方法があります。
- Force Active Tile Pictures → 選択されているツールのサムネイルを表示します。
- Force Source Tile Pictures → Loader、Text、Background ツールなど、ソースツールのサムネイルを表示します。
- Force Mast Tile Pictures → マスクツールのみをサムネイル表示します。
- Force All Tile Pictures → すべてのツールをサムネイル表示します。
タイルの色分け
タイルには内容によって様々な色付けがなされています。それぞれの色には次のような意味合いがあります。
- 緑 → ソースツール。Loader、Background、Text Plus など。
- 黄色 → 選択されてアクティブになっているツール。
- 深い青 → 複数選択されたツール。
- 薄い青 → 3D 関連ツール。Camera 3D、Renderer 3D、Image Plane 3D など。
- 紫 → パーティクル関連ツール。pEmitter、pRenderer など。
- 赤 → レンダリングに失敗したツール。
- 黒 → パススルーされた(無効になった)ツール。ツールの無効化は、コントロールパネルの無効化ボタン、もしくは Command(Ctrl)+ P で実現できます。
次回はディスプレイビューとタイムルーラーです。
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