天球型動画
CG映像の制作の際に360度の実写の映像を使ったり、VR・プラネタリウムといったもののために映像制作を何かの拍子に行うことが出てきます。360動画の撮影・編集・書き出し&アップロードについてそれぞれまとめて書いていきたいと思います。
天球方動画の撮影
カメラの種類
前天球動画用に作られたカメラは主に3種類存在する。
① 一眼型カメラ
② 二眼型カメラ
③ 多眼型カメラ
の3種類である。
①の一眼型カメラは基本的に半天球映像のためのカメラであり、主にプラネタリウムなどでの利用や二つ組み合わせて使われることが多い
②の二眼型カメラはRICOHのTHETAやInsta360のONE Xのようなライト層向けの360度映像向けのものや、EOS VR SYSTEM などが代表されるような立体視の180度動画向けカメラが挙げられる。
③の多眼型カメラはInsta360のTITAN やノキアのOZOなどのプロ向けの製品がほとんどである。
また、基本構造は魚眼レンズでカメラで360度動画を作ろうとしているだけのためこれまでMooovringやGoPro odyssey といった多数のカメラを繋ぎ合わせ一つの前天球画像にしたものもある。(スッティッチング作業が複雑になる)
GoPro odyssey
マイク
カメラ本体にアンビソニックに対応したマイクを付属させているもの(注1 や外部から音を取り込み自動的に録画することが可能なもの(注2 アンビソニックでの収録を可能にしたマイクを別途用意し撮影が行われる。
しかしカメラ本体に付いているものであれば排熱によるファンの音が入り込んだり、外部マイクであれば前天球が写ってしまうため隠せないといった問題が発生する。
(注1 insta360 Pro2など
(注2 nsta360 One R など
編集
Premiere Proが用意しているVR向けテンプレートは下記のとおりである。
フレームサイズ
フレームサイズは上記の設定では8192×4096と2:1になるように設定されている。
これはエクイレクタンギュラーと呼ばれる形式にしようとしているもので。正距円筒図法ともよばれる方式である。
Youtubeなどでの前天球映像のアップロードでは基本的にこの形式がもちいられ、3Dの立体視においては8192×8192の2:2のサイズで上下に配置している.
このほかにも前天球を立方体に落とし込むCubemap、半天球を魚眼レンズに押し込むドームマスター形式、全天球を無理やりドームマスターに落とし込んだハイパードームマスター形式も存在する。
そのほか形式についてはこちらのHPを参考に
VR設定
この項目はPremiere Proのみの設定可能な項目でDaVinci Resolveにはなさそうである。
投影法・レイアウトは先ほど上記で説明したとおりである。
キャプチャーされたビューについてはカメラの生データをそのままいじることが可能なように設定されている。
例えば GALAXY gear 360で撮影されたこちらの映像は
360°水平方向、180°垂直方向に設定すると自動でエクレクタンギュラーに変換してくれる。
RICOH THETA V で撮影されたこちらの映像では
180°水平方向、360°垂直方向に設定することで編集することができる。
※ .insv形式のinsta360での撮影映像は各レンズ1ファイルに加えモーションデータも保存されているためPremiere Proでも単体での編集はできない。公式のソフトウェアを使って書き出すか、公式のプラグインを導入する必要がある。
音・アンビソニック
残念ながらこの項目に対して適切な回答ができないため
こちらの記事などを参考にしていただきたいです。
Ambisonics(アンビソニックス)とは?
書き出し
エクレクタンギュラーとして2:1もしくは1:1の形式で書き出しましょう。
Premiere Proであれば基本的にこのままで問題ないです。
それ以外のソフトにおいてもビデオプレイヤーやVLCでの再生については問題なく前天球映像として認識します。しかし、Youtubeにおいては様々なアスペクト比に対応しているためメタデータを付け替える必要があります。
Spatial Media Metadata Injector-Github
180° 動画または 360° 動画のアップロード - Google
※ 製品画像は公式HPより
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