色空間を考える上での3つの要素:トランスファーカーブ、色域、ホワイトポイント

色空間を考える上での3つの要素

ACESという比較的新しいワークフローの勉強をする上で改めて色空間について勉強をしましたが、色空間を考える上での3つの大事な要素を学んだのでご紹介します。この色域の定義についてコメントしてくれていたのは、ACESのフォーラムでメンバー活動をされているFrancois Lordさんです。ありがとうございます。

リンクは英語ですが、こちらです。

さて、色空間の規格を決める上で重要な要素は3つあります。トランスファーカーブ、色域、ホワイトポイントです。

1. トランスファーカーブ


参照:4KテレビLife

光をどのようにデジタル数値値して、デジタル数値をどれくらいの明るさの光に変えるか

HDR制作でよく聞くようになるOETFやEOTFがこれにあたります。TFはトランスファーファンクション(Transfer Function)の意味で、AからBへと変換するという意味です。OEはオプティカルエレクトロニック、EOはエレクトロニック > オプティカルです。もっと簡単にいうとOE = アナログからデジタル、EO = デジタルからアナログ変換する際に使われるルミナンスの変換値のことです。

今でも数多く使われている様々なOETF

トランスファーカーブにもいくつか種類があります。最近の映像収録に使われるのはログカーブと呼ばれるOETFで、収録時にLOG撮影を行う時に使われます。Rec.709に焼き付けで収録する場合はRec.709のOETFが使われます。RAWやRED RAWはリニア収録をするOETFです。このように色んなOETFは普段から慣れ親しんでいるもので、OETFとは言わずにRec709と呼んだり、S-Logと呼んだりしてました。

EOTFとガンマは同じもの

アナログ>デジタル変換の際に使われるOETFと同じように、デジタル>アナログ変換される場合はEOTFを使います。これはPCモニターやTV、プロジェクターから光に出力する際の変換値のこと。もっとも代表的なRec.709(またはsRGB)は複数のEOTFを持っていました。EOTFは別名ガンマと言って、2.2、2.4などの規定値がありました。(参照は10 Questions, 10 Answersから)昔のブラウン菅TVが物理的な現象としてもともと備えていたEOTFの特性を液晶パネルでも引き継いだのは、ノンリニアなEOTF(ガンマ)が人間の目の特性をよく捉えていたからだそうです。

Rec.709はトランスファーカーブだけではなく、色域やイルミナントも全てを包括する規格で総称としてはITU-R Recommendation BT.709と言います。Rec.709のOETFやEOTFはその規定内で決められている、はずです。(勉強した範囲内ではそういう理解です)

EOTFという呼び名がよく耳にするようになったのはHDRが出てきたからです。HDRの新しい規格のためにPQカーブやHLGという言葉も聞きますが、それぞれ独自のEOTFを持っています。これらが今までのガンマ補正の2.2か2.4という選び方に加えて登場したためにややこしく、全く新しいものに聞こえますが、EOTFはガンマとして今までも使われています。

OETFやEOTFなどのトランスファーカーブは、以下で紹介する特定の色域(Rec.2020やRec.2100など)とルミナンス(D65が基本)と一緒に規定されて使われます。

HDRについて

10bit収録(もしくはそれ以上)出来るカメラを使って、その機種のRAWやLOGのOETFで収録したものを、ポストプロダクションにてHDRのタイムラインでグレーディングします。モニタリングにもHDRモニター必要です。(もしくはHDR TV)そして書き出す際にはPQやHLGのHDR規格のEOTFを使って書き出します。

2. プライマリーカラーの平面座標によって決まる色域


参照:CIE convertor

CIE1931の色度図(上記)の色域の直線では無いカーブの部分は虹色に似ていますが、可視スペクトラム域の単色軌跡と呼ばれるもので、nmの単位の可視光線として定義できます。この色域が人間が知覚出来る全ての色の座標として標準化されていて、その他の映像制作で使われる色域はこのCIE1931を基準にしてその中(もしくは外)の3点座標(コーディネート)を結ぶ三角形で色域を表します。座標の縁に行けば行くほど彩度が高いです。

色域はRec.709、Rec.2020、P3、ACES AP0の様にして表されます。色域によって表現出来る色とその最大彩度が決まります。ほぼほぼ色域は決まって平面で表現されます。例えばRec.709は比較的に他の色域と比べて彩度が低いです。映像の編集作業をする上で、RGBは最も慣れ親しんでいる色モデルですが色域によって色が相対的に変化します。

PhotoshopとかAEで特定の色を選択すると、[R、G、B] = [0、50、125]のようにビット深度に応じて整数値で色域内の色を全て表せますが、上記の同じ座標でも使う色域によって色の値が変わります。[R、G、B] = [0、50、125]の値でも色域が違えば色も変わるという意味です。

そのため映画などはアーカイブする上で、絶対値を持つXYZというカラーモデルを使います。XYZは今後のどんなプライマリー(RGBの色座標)を持つ色域にも変換することが出来るために良いらしいです。(すみません、どこで聞いたか思い出せません)

3. イルミナント(もしくはホワイトポイント)


参照:CIExy1931 sRGB gamut D65

自分のモニターのプライマリーカラーのR,G,Bの出力値をそれぞれ最大値まで引き上げた時に表現される色は白色になります。人間の目はあらゆる白を白として認識出来る能力が備わっていますが(Discounting the illuminant)、網膜と脳内で行っている複雑な作業をコンピューターは勝手にしてくれません。モニターも太陽と同じように光を放つ光源体です。そのため光源の光が表す白を正しい白として認識する必要があります。どのモニターでも正しい白を出すためにケルビン値を使って白色を定めたもの(CCT) がホワイトポイントになります。

ホワイトポイントは6500K (またはD65)や5000K (またはD50)などとして表示されます。sRGBはD65、ACESはD60など色域によって固定されています。HD以降のWEBやTVの映像に使われているのはD65です。

ただしモニターはブランドや個体によって色の出方に誤差があるので、ビューイングモニターのカリブレーションが理想的(仕事をする上で特定の色を正確に出す必要がある場合は必須)です。

またDCI-P3のホワイトポイントはD60よりも緑のティントがかかっていますが、これはアメリカでDCIの規格が標準化される際に、実際に映画館でプロジェクターをテストした結果、ホワイトが緑がかっていたことに起因しているそうです。

以上、色空間(カラースペース)について学んだことの説明の翻訳と自分なりの解釈を書いてみました。

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