Blackmagic Designはこの日、リアルタイム合成プロセッサーであるUltimatte 12の4つの新モデルを発表した。
これらは全て、次世代の放送グラフィックを作成できるよう設計されている。また、MacとWindowsに対応した新しいUltimatte Software Controlアプリも発表され、無料でダウンロードできる。
このソフトウェアを使用することで、ハードウェア・コントロールパネルに追加コストをかけずにUltimatte 12の全モデルをコントロール可能。
Ultimatte 12シリーズは、IBC 2022のBlackmagic Designブース(Stand 7.C49)にて展示される。
■製品概要
Ultimatte 12 HD Mini
新しいUltimatte 12シリーズは、高品質な処理性能はそのままに低価格化を実現。驚異的なエッジ処理、色分解、色忠実度、優れたスピル抑制に対応している。
Ultimatte 12 HD、Ultimatte 12 4K、Ultimatte 12 8Kなど、全4モデルを展開。ユーザーは、使用するテレビ規格に適したUltimatte 12モデルを選択できる。
上述の3モデルに加え、HDMIインターフェースを搭載した低価格のUltimatte 12 HD Miniもリリースされ、価格はUS495。
Ultimatte 12 HD Miniは、ATEM Miniのユーザーが放送品質のキーイングを用いて革新的な固定カメラのバーチャルセットを作成できるように設計されている。
Ultimatte 12の全モデルはフレームストアを内蔵しているので、バックグラウンドにスチルを使用してキーイングを実行できる。外部機器にコストを費やす必要はない。Ultimatteだけで、あらゆる合成を実現できる。
Ultimatte 12 HD Miniを含む、Ultimatte 12の全モデルは、低価格でありながら驚くほど高度なイメージ処理アルゴリズムと、広大な内蔵カラースペースに対応している。
つまり、どのモデルでも全く同じ品質の合成を作成できる。内部マットが自動的に生成されるため、各エリアの色に基づいてイメージの異なる部分を別々に処理できる。
また、髪の毛などでエッジのディテールを得られ、シーン内での色と色、あるいはオブジェクト間の自然な境界を実現できる。すべての処理は新しい数学的/サブピクセル処理に基づいて実行され、驚異的な品質と鮮やかさを得られる。
Ultimatte 12 HD
ライブプロダクションでは、作業にスピードが要求される。Ultimatte 12は、ワンタッチ・キーイングテクノロジーを搭載。シーンを分析して自動的に100以上のパラメーターを設定するので、余分な作業なしで優れたキーイングを実行できる。
ワンタッチ・キーイングは作業を劇的にスピードアップし、最小限の作業でキーを正確に抜くことができる。Ultimatte 12がキーイングを行うため、撮影に集中できるのだ。
改善されたUltimatte 12のフレア・アルゴリズムは、あらゆるものから緑の色被りやスピルを取り除くため、非常にリアルなルックのバーチャル環境を作成できる。影や、反射の映った透明なオブジェクトに関する心配は無用だ。
Ultimatte 12は、壁や床、あるいはその他のエリアの色を自動的にサンプリングし、シームレスなマットを作成して必要な修正を施す。
Ultimatte 12 4KおよびUltimatte 12 8Kは、高度な12G-SDIコネクターを搭載しており、現在のHDビデオフォーマットに加えて、未来のUltra HDおよび8Kビデオフォーマットにも対応可能。12G-SDIは、単一のBNC接続で高フレームレートUltra HDに対応でき、一般的なHD機器にも簡単に接続できる。
Ultimatte 12 4K
Ultimatte 12 HD Miniモデルは、SDIカメラコントロールをHDMIに変換する特殊な機能を搭載。これにより、HDMI接続されたBlackmagic Pocket Cinema CameraをATEM SDIスイッチャーからコントロールできる。
すべてのATEMスイッチャーはSDIを介してカメラコントロールを送信するが、Ultimatteのこの機種はその信号をカメラ用にHDMIに変換する。さらにUltimatteのユーティリティでカメラ番号を追加すると、カメラのカラーコレクター、タリー、リモート収録トリガーのコントロールが可能となる。
Ultimatte 12シリーズには、MacおよびWindows対応のUltimatte Software Controlが無償で同梱されている。メインウィンドウには、機能ごとにメニューが複数セクションに分かれて配置されている。
インターフェースはボタンや設定が多いので、複雑に見えるかもしれないが、習得するのに時間はかからない。各設定を直感的に移動し、実際に合成を構築しながら、短期間で使用方法を学ぶことができる。
「Ultimatteは、過去40年以上に渡り、世界で最もパワフルな放送用キーヤーとして活躍してきました」Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティは語る。
「Ultimatte 12の第2世代モデルは、HD、Ultra HD、そして8Kまでに対応しています。この優れたテクノロジーをより多くのユーザーの皆様にお届けできることは、とてもエキサイティングです。Ultimatte 12 HD MiniからUltimatte 12 8Kまで、全てのモデルで同じ高度な処理性能とアルゴリズムを採用しており、優れた放送用の合成や、映画のようなバーチャルセットを実現できます。特にこれまでキーイングを行ったことのないユーザーの方々が、新しいUltimatteでどのような作品を作るのか、非常に楽しみですね」。
購入と価格
Ultimatte 12の全モデルは現在販売中。
Ultimatte 12 HD Miniは$495、Ultimatte 12 HDは$895、Ultimatte 12 4Kは$2,495、Ultimatte 12 8Kは$6,995 (すべて税抜価格)。
◎詳細情報
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products
Blackmagic Design
https://www.blackmagicdesign.com/jp
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