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“自分の好きを混ぜ合わせる”『残響散歌』などを手掛けた荒船監督のルーツとは?

2024.01.17 (最終更新日: 2024.03.29)

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ひと目見ただけで、強烈な印象を残すMVがある。

この連載ではそうしたミュージックビデオを作るクリエイターを“MV印象派”と定義づけ、彼らのルーツに迫ることで、映像に込めたこだわりを紐解いていく。

MV監督たちの原点やキャリアを一挙見!【シリーズまとめ記事/MV印象派のルーツに迫る!】

ひと目見ただけで強烈な印象を残すMVがある。 この連載シリーズではそうしたミュージックビデオを作るクリエイターを“MV印象派”と定義づけ、彼らのルーツに迫ることで、映像に込めたこだわりを紐解いて...

今回のゲストには、Aimer『残響散歌』MAN WITH A MISSION『Take Me Under』など、多くのアーティストのMVやCMを手がける荒船泰廣さんに登場いただいた。

  • 映像ディレクター荒船泰廣 / Yasuhiro Arafune

    1984年生まれ、埼玉県出身。日本大学藝術学部写真学科出身。 学生時代よりフリーの映像ディレクターとして活動を始め、2012年に株式会社KEYAKI WORKSに所属する。2018年、独立EPOCH Inc.へ所属。 VFXを用いたスケール感のある演出を得意とし、SFやホラー、格闘アクションといったサブカルチャー由来のモチーフをベースに、メジャー感のあるポップな映像として仕上げる手腕に定評がある。

    X(Twitter):@arafune
    https://www.epoch-inc.jp/member/arafune

ホラーの強いビジュアルイメージに惹かれた少年時代

——荒船監督は、自身がどんな子どもだったか覚えていますか?

荒船泰廣(以下、荒船):地元は埼玉県の秩父なので、山に囲まれた田舎だったんですけど、毎日ぼんやり楽しく暮らしていたと思います。

自然のなかで遊んだり、スーパーファミコンで遊んだり、とにかくそんな感じで小学校中学校はぼーっと生きていましたね。

——熱中していた趣味や遊びで印象に残っているものはありますか?

荒船:少年ジャンプは子どもの頃から大好きで、特にホラー漫画が大好きでした。『地獄先生ぬ〜べ〜』や『アウターゾーン』あたりの作品に夢中でしたし、楳図かずお先生の作品も大好きでした。

漫画を読むだけじゃなくて、実際に自分で妖怪や化け物の絵を描くことにもハマっていましたね。

——漫画の模写をしていたということですか?

荒船:それもしていましたが、どちらかというと自分のオリジナルの化け物の絵を描いていました。

脳みそ剥き出しのクリーチャーとか内臓がドバーっと飛び出ている絵とか、そういうグロテスクなものが好きで、こんな化け物がいたらいいなと思ってずっと描いていましたね。

——ご自身でキャラクターも考えていたんですか。その頃からクリエイティブな才能が発揮されていますね。

荒船:自分の中に、表現したいものがあったんだと思います。

例えば『地獄先生ぬ〜べ〜』では頻繁にキャラクターが死ぬんですけど、そういった衝撃的なビジュアルや不気味な世界観を生み出すイマジネーションに子どもの頃すごく惹かれて、そこから感じたものを何か形にしたいという思いはずっとあったような気がします。

それと描いた絵を友達に見せると驚いてくれたので、そういった周囲の反応まで含めて絵を描くのは好きでしたね。

——今でもCGを使ってクリエティブな映像制作をされていますが、想像力の限界を感じることはないのでしょうか?

荒船基本的には同じことしかできないと思ったりもします。

やはり子どもの頃に好きだったものが自分の想像力の源泉としてあって、それをいろいろな形に変えながらやっているなと自分自身思います。

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