ひと目見ただけで強烈な印象を残すMVがある。
この連載ではそうしたミュージックビデオを作るクリエイターを“MV印象派”と定義づけ、彼らのルーツに迫ることで、映像に込めたこだわりを紐解いていく。
今回のゲストには、SKY-HI×Nissy『SUPER IDOL』やキタニタツヤ『PINK』など、多くのアーティストのMVを手がける鴨下大輝監督に登場いただいた。
- 映像ディレクター鴨下大輝 / Daiki Kamoshita
1995年生まれ 東京都出身。首都大学東京(現 東京都立大学)インダストリアルアートコース入学後、独学で映像制作を開始。2020年より、フリーランスとして活動をスタート。ミュージックビデオを中心に、TVCM、WebCM、ライブ演出、PV映像、OOHなどの映像演出を手掛ける。ファンクと、自然と、ラーメンが好き。
X(Twitter):@disisduck
Instagram:@disisduck
http://daikikamoshita.com
ドラマを“超”観た経験や、海外への憧れが今のベースに
——早速ですが、鴨下監督はどんなお子さんでしたか?
鴨下大輝(以下、鴨下):
だいぶ明るい子どもでした(笑)。ちょっと聞こえが悪いですけど、ガキ大将的な感じで。みんなの先頭を切って遊んでいましたね。
——小さい頃、好きだった映像作品や「映像を作りたい」という興味はありましたか?
鴨下:映像好きでは全くなくて、小~中学生の頃はTVドラマがすごく面白いと思っていて、“超”観ていましたね。
——どのようなドラマが好きでしたか?
鴨下:『女王の教室』や『マイ☆ボスマイ☆ヒーロー』、『野ブタ。をプロデュース』が、今でも記憶に残っています。
そして、高校に入ってからは海外のドラマも観るようになりました。特に『glee/グリー』と『ハイスクール・ミュージカル』が好きで、アメリカの高校生活に憧れを持ちました。それが今でも自分の一部を形づくるベースになっていると思います。
——今のご自身の作品の中でも、そこから影響を受けていると思う部分はありますか?
鴨下:すごく影響を受けています。当時は海外への憧れが強くて、「日本は最悪だ」みたいな感じだったんですよ(笑)。「日本生まれなのに、日本アンチ」的なスタンスでしたね。
人と同じことをしたくないという想いもあったのですが、日本って「個じゃなくて集団」みたいな文化じゃないですか。それではあまり機能してないルールもいっぱいあるなと思っていて、それがちょっとイヤでした。
でも、高校を卒業して時間が経つにつれて日本の良さを知るようになって、今のスタンスができあがりました。
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