キヤノンは、「EOS R SYSTEM」の強みを生かしながらさらにクリエイティブな動画機能を提供するミラーレスカメラの新シリーズ「EOS V series」として、APS-Cサイズミラーレスカメラ「EOS R50 V」を発表した。ボディ単体が11万3,300円、レンズキット(RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZが同梱)が14万800円。
SNS動画やライブ配信などの映像制作ニーズに応えるため、動画撮影に特化した設計が施されている「EOS R50 V」とレンズキットは5月下旬、「RFレンズ」で初めてパワーズームを内蔵した小型・軽量なAPS-C向け広角ズームレンズ「RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ」は7月下旬の発売が予定されている。
動画クリエイターのための操作性と機能性
「EOS R50 V」は、ファインダーを排除したフラットなデザインを採用し、前面と上部に大型の動画撮影ボタンを搭載。縦型動画撮影用の三脚ねじ穴や、赤色に点灯するタリーランプなど、Vlogや縦撮りを意識した設計が特徴だ。ボディは約370gと小型・軽量で、長時間の撮影でも疲れにくい。
また、USBケーブルでPCと接続すれば給電と映像伝送が同時に可能。HDMI配信にも対応しており、iOS/Android端末を使ったマルチアングルライブ配信にも対応する。
高画質動画に対応、クリエイティブな撮影表現が可能に
撮像素子にはAPS-CサイズCMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」を搭載。6Kオーバーサンプリングによる4K30P動画(クロップなし)や、4K60P(クロップ)撮影に対応する。さらに、YCC422 10bitの高階調記録、「Canon Log3」などのカスタムピクチャー機能により、プロレベルのカラーグレーディングも可能だ。
14種類のカラーフィルターをプリセットし、ユーザーは気軽にシネマティックな映像表現を楽しむことができる。
「RF レンズ」初のパワーズームを内蔵した広角ズームレンズも発売
「EOS R50 V」との組み合わせを想定した広角ズームレンズ「RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ」も、2025年7月下旬に発売される。パワーズーム機能を内蔵した本レンズは、一定速度で滑らかにズームでき、ジンバル撮影や自撮り動画にも最適な設計となっている。
最大径69.6mm、全長62mm、質量181gのコンパクト設計で、ズーム時も鏡筒が繰り出さない全長固定仕様。バランスの取りやすさが求められる撮影現場でも安定した操作が可能だ。
レンズと合わせて551g、軽量コンパクト設計も魅力
「EOS R50 V・RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ レンズキット」は、2025年7月下旬に発売予定。カメラ本体とレンズを合わせてもわずか551g。長時間の撮影や外出時の持ち運びでも負担にならず、SNS向け動画やVlog撮影を日常的に行うユーザーにとって扱いやすい構成となっている。
環境にも配慮した製品設計
本モデルでは、包装材の脱プラスチック化にも配慮。植物由来の不織布や紙素材を使用し、環境への負荷軽減を図っている。これは、Canonが持続可能な社会を目指す中で進める取り組みの一環でもある。
「EOS R50 V」は、スマートフォン世代の映像制作者や、YouTube・TikTokといったSNS動画コンテンツの制作者にとって強力な武器となるだろう。小型・軽量ながら本格的な映像制作が可能な本モデルの登場は、ミラーレス市場に新たなトレンドを生み出すことが期待される。
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