字が像

VGT Motion Award 2025 モリサワ部門

制作している時の自分の心の揺れ動きを「私」に投影した自画像的作品。
デフォルトの「私」( = 小塚ゴシック)はその時々の制作物に合わせフォントを選択するが、今回は「リュウミン」を鎧い制作を開始。
制作中はリファレンスの嵐に見舞われ思考のどツボにハマり奈落の底に沈みこみそうな気持ちになる。
それでも「私」を信じて前へ進み、最後の最後は「私」自身が救ってくれるところも大きいのでゴールにはもう1人の「私」が光を差し伸べてくれる…そんなプロセスを作品に重ねています。
制作が完了すると「私」は再びデフォルトの姿に戻るがまた新たな制作が始まる——その無限の循環をループ仕様で表現しました。
フォント・文字には人間のような表情がなく、ある種記号的な存在です。
表情を持たないからこそ、心象風景の記号として機能すると考えました。
デフォルトのフォントとして小塚ゴシックを選んだのは、多くの制作ソフトでテキストのデフォルトに設定されているフォントだからです。
一方でリュウミンは、その繊細さの中に芯のある力強さを感じたため、今回のメインフォントに設定しました。

使用フォント

・A-OTF リュウミン Pr6N L-KL
・A-OTF UD新ゴ Pr6N L
・A P-OTF A1ゴシック Std R
・ヒラギノ明朝 ProN W3
・FOT-ロダン ProN DB
・FOT-マティス ProN M
・DNP 秀英明朝 Pr6 M
・小塚ゴシック Pr6N R