『New Wave』とは?
SNS動画が増えてきている中で、外注ではなく、インハウス(社内)で動画を作成している会社が増加してきている。
今後どのような場所で、どのような映像を、どのような体制で作るのか。
悩まれている方は非常に多いと思う。
今回Adobe×Vook で『New Wave』と題して、
映像・動画であたらしい制作スタイルをしているところを取材するシリーズが誕生。
シリーズでは最近急激に伸びてきているインハウス動画の取り組みについてご紹介する。
Vol.1 は『インハウス動画の未来 メルカリ編 〜動画制作のコスト削減と社内コミュニケーションを〜』
同社には、映像制作を担当しているチームがある。
メルカリ内に映像制作チームがあるメリットや、実際にどのように映像制作をしているのか?
実際に業務を担当しているチームの方々に取材してみた。
そもそもメリカリに社内動画チームが誕生した経緯とは?
メルカリに動画チームが出来たのは、世間的に動画の需要が増えたことが背景にある。
そして、メルカリの「まずは試してみる」という社風もあって、今回の動画チームの発足に繋がった。
メンバーの入社経緯は様々だが、2017年11月にメルカリに入社した熊田さんは、デザインチームのマネージャーがFacebookに投稿した、動画制作メンバーの募集がきっかけになったという。
熊田さんは投稿を見てから12時間後にメルカリで打ち合わせをし、社員としてのオファーを受けたとのこと。(入社経緯等については、下記のリンクにも詳しくまとめられているので、そちらも参照して欲しい)
https://mercan.mercari.com/entry/2018/06/04/160453
実際に作っている動画は?
彼らが実際に作っている動画は、大きく「社外向け/社内向け」の2種類がある。
社外向けのものは、株主をはじめとする関係者に対するIR系動画や海外向けにサービスを紹介する動画、SNS向けに大量に作る動画などだ。
6秒動画で様々なパターンを作っている
海外向けのメルカリ紹介動画、撮影とアニメーションを一緒に入れ込んだ動画になっている
IRは英語でも作成している
社内向けの動画は、エンジニア向けのイベントで撮影した動画や、リアルイベント時に上映するインタビュー動画などが中心だ。
https://www.linkedin.com/feed/update/urn:li:activity:6461409607645528064/?fbclid=IwAR3YPoEvJlhQ2837Ez0RD6LqF8yIsEEo6m4utiLO8VzpOaKMhe98QlhjypI
(ワルシャワで行なったハッカソンの映像)
インフォグラフィックを使ったアニメーションの動画も作っている
実際に制作しているものを見せてもらうと、既存の映像を再編集したものや、イベントの余興として作ったハリウッドやインド映画のパロディ、自社に所属するアスリートの映像などなど……
想像以上に幅広いタイプの動画を手がけていることが印象的だった。
(インド映画のパロディ映像)
どのような体制で作っているのか?
メルカリで映像制作を担当しているのは4人。
加えてアニメーションもできるグラフィックデザイナーが在籍。
クリエイティブデザインチーム全体でも7人と、かなり少数精鋭だ。
メンバーの役割分担としては、稲川亮輔さんが企画を中心としたプロデューサー的位置に立つ。
稲川亮輔 / ディレクター・プランナー
前職は映像プロダクションのROBOT。
ショートムービーやアニメ、ゲーム、VR、AIやキャラビジネスの企画/プロデュース。
新技術をエンタメで成立させることを生き甲斐にしている。
2018年3月メルカリ入社。
使うツールはAdobe系、Unity、sketch、浅釜の包丁。
熊田勇真さんと高橋奈水子さんが監督・撮影・編集
左 熊田勇真 / ビデオグラファー
大阪芸術大学で映像について学び、フリーランスを経て、2017年11月にメルカリ入社。
よく使うツールはAdobe全般、Premiere Pro、After Effectsなど。
名前にちなんで熊のアイテムを毎日愛用する我の強さを持つ。
これぞフリーランス魂!
右 高橋 奈水子/ディレクター
新卒で映像制作会社に入社し7年勤務。
TV番組、CM、WEB映像などの制作を担当。
趣味でたい焼きの映像も制作している。
2018年9月メルカリ入社。
そして、早坂光順さんがグラフィックやAfter Effectsを中心に担当しているとのこと。
早坂光順/アニメーションクリエイター
イベント系の制作会社やCGプロダクション、ソーシャルゲーム会社や女性向けメディア等、様々な映像の仕事を経て、2018年8月メルカリ入社。
After Effectsをメインツールとして使用し、年賀状などの印刷物もAfter Effectsを使用して作成する。
自社内で動画制作をするメリットとは?
自社内で動画制作するメリットについて尋ねると、メンバーは口を揃えて「コスト」だという。
これは予算的な意味だけでなく、コミュニケーションコストも含むという。
同じ会社で働いているチームだからこそ、「なぜその映像が必要なのか」といった背景などを説明しなくても共有できる。
外部だとどうしてもそこに説明する必要が発生するので、企画の背景を理解しているスタッフが作業を担当するのは大きなメリットだ。
この他にも自社で制作するからこそ、突発的に発生した企画にも柔軟に対応できる、納期が迫っているときに相互にフォローできるなどのメリットがあるという。
また、動画の制作過程でそれまで関わることのなかった社内の人間同士が出会い、撮影自体がイベント的な盛り上がりを見せるなど、制作過程でも社内のコミュニケーションにいい影響を与えているそうだ。
完成した動画だけでなく、制作過程でも社内に良い影響を与えることができるのは、自社で動画制作しているからこそ得られる効果だろう。
実際に動画を作った反響は?
自社イベントを開催する際に、動画があるだけで単純にイベント自体の高級感が増すという。
また、イベントの様子をSNSに流すことで外部へのアピールに繋がり、実際に集客がアップした事例もあるという。
このように、メルカリでは動画を作ることでイベント参加者の満足度を上げる一方で、イベントに参加できなかった人へも会場の雰囲気を伝えることで次回の集客へ繋げるという好循環が生まれている。
これは動画だからこそ伝えられるものだという。
Adobe製品の利用方法とメリット
動画チームは皆、Adobe Creative Cloudを利用し、Premiere Pro、After EffectsやIllustratorなど、様々なソフトを使っている。
他のソフトだとソフト間の行き来が多く発生するが、Adobe製品で統一するとDynamic Linkなどの機能を使うことで作業効率を何倍にも上げることができる。
また、フォントの選択肢も多いことが様々な種類の動画を作る上ではとてもメリットだという。
さらに、VRなどの映像を作ることもあるので、Premiere Pro/After Effectsで作成できるのも魅力だ。
実際にメルカリでのPremiere Proの使い方もVookで書かれているので、興味がある方は以下を見て欲しい。
https://vook.vc/n/1461
データの受け渡し方法は?
実際にチームで編集するため、素材とプロジェクトファイルが入ったハードディスクを受け渡してDynamic Linkを使いながら編集しているという。
バックアップに関しては、全員がiMac Proを使っていて、そこからRaidを組んだ16TBくらいの外付けハードディスクを使用。
作業用には外付けSSDを使い、データをチームで回しているとのこと。
またGoogle Driveも積極的に使用し、時にはレビュー確認やバックアップの管理も行うという。
動画制作だけではなく、同時に写真も撮るので、Google Driveに入れておくと便利なのだそうだ。
なお、カメラはSony α7-s3とα7-s2を使用しているとのこと。
今後の展望は?
最後に今後の展望も尋ねてみた。
まだ情報解禁前のものも多く、具体的なプロジェクトは伏せるが、稲川さんは「例えば、地方局向けのCMレベルにプロジェクトサイズを大きくしていったり、インハウスならではの共感性の高いブランデッド映像などを作っていきたい」と展望を語る。
加えて、タレント的な才能を持つ熊田さんを外部にアピールし、”社内に在籍する動画クリエイター”の魅力をアピールしていきたいという。
そして熊田さん自身は、様々なサービスに積極的に触れ、外部に発信していきたいとのことだった。
最後に
5月17日(金) の夜に、本シリーズのイベントを都内で開催いたします!
『New wave インハウス動画の未来』と題して、インハウス動画をどう実現しているのか、どんな体制でやっているのかなどを解剖していきます。
インハウスで動画をやってみたいという担当者の方や動画の制作体制に困っている方は必見のイベントです。
詳細はまた追ってVookで公開いたします!
岡本俊太郎@shuntaookamoto
株式会社Vookの代表取締役。my Japanという日本の魅力を30秒で伝える動画コンテストを立ち上げ、その後動画制作の会社を立ち上げ。 制作においてはプロデュース系が一番得意です。簡単な編集もやるので、編集についてのノウハウも共有していきたいです。
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