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【サンプル配布あり】制作進行に必要な書類や契約書の悩みを解決! STEP1 要件整理シート

2021.05.21 (最終更新日: 2023.02.14)

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「映像を作るために、こんなに色々な契約書や資料を作成しないといけないの!?」

そんな風にお悩みの映像クリエイターの方も多いのではないでしょうか?予算表、PPM資料、業務委託契約書、出演承諾書…etc.。関わるスタッフが増え、制作の規模が大きくなるほど、こうした書類の数は増え、作成にかかる手間も増えていきます。

この記事は、なかなか学べる機会のないこうした契約書・制作管理書類に関する知識と情報を発信していく特集連載の第2回。今回より、記事の中ですぐに使えるサンプルフォーマットの配布も始まります!

前回のイントロダクション篇に続いてSTEP1となる今回は、映像制作の入口=オリエンやヒアリングの際に使える「要件整理シート」をご紹介。映像クリエイターとして活躍中の伊納達也さん松永エイゾーさんに、実際のやりとりの中で起きがちな問題や悩みをお聞きしながら、それぞれの書類を使う目的やおすすめの使い方についても解説していきます。

  • 映像ディレクター / ビデオグラファー松永エイゾー

    映像ディレクター / ビデオグラファー。静岡県浜松市出身。2013年法政大学社会学部を卒業後、旅行会社と映像制作会社を経て独立。企業やスポーツ系PVや、ドキュメンタリーなどをメインに制作。人が持つ「熱」にフォーカスした、映像づくりをしている。

  • ノンフィクション・ビデオグラファー伊納達也

    ノンフィクション・ビデオグラファー。ウェブメディア向けのドキュメンタリーや、ショートフィルム、企業VPなどを制作。2019年からは栃木県鹿沼市にスタジオを移転して活動中。

映像制作のフローと必要な書類の全体像がわかる【STEP0 イントロダクション】はこちら!

【連載】制作進行に必要な書類や契約書の悩みを解決! STEP0 イントロダクション -映像制作のフローと必要な書類の全体像って?-

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映像制作ははじめが肝心。「要件整理」ってどうしてる?

——それではSTEP1となる今回は、要件整理についてお聞きしていきます!映像制作の要件として、オリエンやヒアリングではどのような情報をキャッチするようにしていますか?

松永:結局いつも聞くのは同じような項目なんですよね。なぜ動画を作ろうと思ったのか、この動画で何を達成したいのか、マストで入れるものは何か、尺、納品本数、スケジュール、あたりかな。以前はターゲットなども聞いていましたが、最近はあまり関係ないかなと思っています。

オリエンシートがクライアントさんから出てくることもありますが、あまり詳細はまとまっていなくて、こちらでまとめることも多いですね。仲間からの依頼だと、テキストでばばばっと送られてきたものに対して確認をして、整理していくので、わざわざ資料にして確認することはあまりないかも。それらを踏まえて、コンテに落とし込んで確認するというイメージです。

伊納:通常は依頼やオリエンがあって、その次のアクションは企画や構成案を出すことになるので、その中の資料として要件を整理したものを一緒にいれることはありますね。

——以前Vookに相談のあった案件で、外部の制作会社さんに担当頂き、さらに伊納さんに外部ディレクターとして入って頂いた案件がありました。その時は初めてのクライアントさんで、初めて伊納さんにお願いするという形だったので、要件整理シートという形でまとめましたね!

そのおかげで、方向性やターゲット、マストで押さえたい点を整理し、クライアントさんにも伊納さんにもスムーズに情報共有できました。初めての座組みの場合なんかには、このようにシートの形にまとめるのがおすすめかもしれません。

伊納関係者が多くなる場合は、こうした資料を作って情報をきっちりまとめておくのが良いですよね。ただそうでなくても、やっぱり「言った」「言ってない」になることはある。例えば、WEB公開だけだと思っていたら、デジタルサイネージもやります、みたいな。あとは「告知カットを最後に入れてください」等、尺に関係する要件があとあと増えたり。整理してどこかに書いておいた方がいいのは、間違いないと思います。

松永マストで入れたいものの確認は必要ですよね!演出面だと「テロップでこれも入れたい、あれも入れたい」などの情報を盛り込みたいという希望と、「そもそもこの動画の目的って、感動を届けることでしたよね?」というような部分で相反する状況になることがあります。その場合も、きちんと目的を整理し、優先順位をつけて共通認識を持っておくと、制御することが出来たりしますね。

感覚の議論になりがちな部分を、事前にロジックで整理して納得してもらえているといいですよね。言いなりになって文句を言いながら作る、なんてことになりたくないので、そこの整理と共有は自分のためにもなりますね。

👉要件整理は自分のためにもなる!

恐らく多くの方が、企画を作る際に色々なところにアイディアや情報をメモしているはず。それらをまとめて見せられる状態にしておくだけで、軸をぶらさずにゴール=完成まで進めていく助けにもなってくれるかもしれません。

納品間際でのバタつき回避!抜け落ちがちなポイントはこれだ

伊納:そういえば、よく「サムネイルって誰が作るんだっけ?」なんてことありますよね!動画の概要文を誰も考えていなくて、YouTubeにUPされたらすごく形式的なタイトルになっていたり…。

松永:それ、めっちゃあるわ…!(笑)

伊納:制作都合でつけた「30秒〇〇編」なんてタイトルがそのまま出てたりすることもありますよね。映像の中身ばかり見ていると忘れがちですけど、そういう「決めておいた方が良いこと」も、ここでちゃんと書いておいた方がいいんでしょうね。

——要件整理シート、どんなものだと使いやすいですかね?

伊納クライアントと共有すべき内容と、一緒に仕事をするスタッフが知っておけばいい内容とがあるので、同じシート内でも分けておくといいかもしれないですね。技術的な項目は「技術仕様」として分けておくのが良さそう!

松永露出媒体は、詳細に記載しておいた方が良いかもしれません!同じSNSでもInstagramとTwitterでは全然フォーマットが違うし、納品本数も書き出しに関係する部分なので。フォーマットやサイズ、尺の規定、データ形式などは最後にアワアワしがちな部分なので、そこも確認しておきたいですね。

——演出に関する部分では、リファレンスでお客さんと確認したりしていますか?

伊納:難しいですよね。あったほうがイメージは共有できるけど、クオリティが高すぎるものをあげてしまっても、同じような映像になるわけではなかったりする。ちょうどいいリファレンスってなかなかないんですよね。

最近は静止画やデザインなどの1枚絵を共有するようにしていて、あまり映像では出していないんです。やっぱり映像だと、「その中のどの要素を参照しているのか」の認識がお互い違っている場合も多いので、画のテイストだけで見るほうがいいかもしれません!

👉情報が一つ変わればベストな構成案が変わってしまうからこそ、一覧でしっかり認識を共有しよう

多くのことを決める必要のある映像制作。尺が変われば構成案も変わるし、メディアが変われば最適な見せ方も変わるため、一つ一つの情報が最終的な映像のクオリティにも関わってきます。やりとりの中だけでは抜け漏れが多くなってしまいがちな部分も、フォーマットとして一覧になっていれば、それぞれの項目を埋めていくだけで大丈夫だから安心です!

要件整理シートのサンプルをチェック!こうやって活用しよう

要件整理シートはその名の通り…

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