予算表、PPM資料、業務委託契約書、出演承諾書…etc.。関わるスタッフが増え、制作の規模が大きくなるほど、必要書類の数は増え、作成にかかる手間も増えていく…そんなお悩みを抱える映像クリエイターは多いのではないでしょうか?
この連載では、なかなか学べる機会のないこうした契約書・制作管理書類に関する知識と情報を発信していきます。記事の中ですぐに使えるサンプルフォーマットも配布中です!
STEP2となる今回は、映像制作のロードマップでもある「制作スケジュール」をご紹介。伊納達也さん、松永エイゾーさんに、実際の現場で起きがちな問題や悩みをお聞きしながらポイントを解説していきます。
- 映像ディレクター / ビデオグラファー松永エイゾー
映像ディレクター / ビデオグラファー。静岡県浜松市出身。2013年法政大学社会学部を卒業後、旅行会社と映像制作会社を経て独立。企業やスポーツ系PVや、ドキュメンタリーなどをメインに制作。人が持つ「熱」にフォーカスした、映像づくりをしている。
- ノンフィクション・ビデオグラファー伊納達也
ノンフィクション・ビデオグラファー。ウェブメディア向けのドキュメンタリーや、ショートフィルム、企業VPなどを制作。2019年からは栃木県鹿沼市にスタジオを移転して活動中。
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案件毎に異なる!最適な制作スケジュールのフォーマットとは?
——STEP2となる今回は、制作スケジュールをテーマについてお聞きしていきます!その名の通り制作工程をスケジュールにまとめたものですが、悩みがちなポイントってありますか?
松永:やっぱり修正の回数と確認のタイミングですね。時間が無い中だと「何時にチェックバックが戻ってくるのか」も気になります。修正は、僕は通常2回をスケジュールに組み込んでおいて、こぼれたらあとは頑張る!みたいな感じです(笑)。
伊納:確かに、「23日中」は23日の24時までOKなのか、なども確認しておきたいところですよね。まあでも結局24時なら、次の日の朝でいいのでは?ということにもなっちゃいますし。
編集室に入ったり、試写が決まっていればいいんですが、リモートでの制作になると 「いつ確認してもらうのか」をきちんと書いておかないと分からなくなってしまう。制作スケジュールの肝はそこに尽きる気がします。
——お二人は制作スケジュールを作る際、どのようなフォーマットを利用していますか?
伊納:横に進んでいく形式のもので、これまでは帯で期間を書いていました。でも、実はクライアントが知りたいのは期間ではなく 「いつどちらが何を出すのか」ということ なのかなと。最近は『提出:23日AM11:00』『確認お戻し期限:24日PM13:00』という感じで、ピンポイントで書くようにしています。
松永:クライアント側でやってもらうことが多い場合などはスケジュールというより、タスク管理のガントチャートのようにすることはあります。スケジュールにも余裕がなく、かつやることが多い場合は抜け漏れが無くて良いかもしれません!
ただ、僕は普段ここまでタスクがひっ迫することは少なくて、縦のカレンダー型でおさまることが多いかも。基本クライアントがやることって多くないはずなので、いつコンテが仕上がり、いつ撮影し、いつ確認してもらい、いつお戻しをもらい、いつ納品、ぐらいの情報が事前に共有できていれば大丈夫かなと思っています。
——「お客さんにとって見やすい形式」という視点も必要ですね。
伊納:あとは「どのくらいクライアントの社内と密に連携する必要がある案件なのか」にもよりますよね。こちらに見えているのは窓口の担当者だけで、その人とだけのやりとりで済む場合は、簡易な縦のカレンダー型でいいと思います。でも、最初の打合せで宣伝チームが何人も出てきて…というような案件で、こちら側でもクライアント社内の人々の役割が把握できている場合は、横のガントチャート型のほうが分かりやすそう。案件ごとに使い分けられるといいですよね。
——スケジュールを決め込みすぎて自分の首を締めてしまった…なんてこともありますか?
松永:ありますね(笑)。ただスケジュールに余裕がないときは、「昼12時」とかに厳密に区切って、その日のうちに確認してもらったりします。そうでない時は時間までは決めてはないですね。「納品日」と「確認日」が分けてあれば、クライアントは翌日から確認することになっているので、進行上そんなに問題は起こりません。
伊納:僕はお尻の時間決めないと頑張れないタイプかもしれない(笑)。
——スケジュールがタイトな時、クライアントさんがどれだけ早く返してくれるかがポイントになったりもしますよね。
松永:そうした場合は試写を設定し、そのあと会議をする流れをつくれれば、その時間で全て終わらせられます。集まることの可能な人数規模だったら、この方法がおすすめです。
👉案件によってガントチャート型/カレンダー型を使いわけよう!
クライアントさんやスタッフの好みもさまざまな制作スケジュールのフォーマット。基本的には、全体の工程が多いほどガントチャート型をおすすめします。担当者が複数人に別れる場合でも、「誰が、何を、どの期間で行うのか」が一目瞭然なのがその理由。
逆に工程がシンプルな場合は、無駄を削ぎ落せるカレンダー型でも良いでしょう!
「クライアントが知りたいこと」「クライアントにお願いしたいこと」「制作スタッフのタスク管理」などのポイントがしっかり盛り込まれているか、確認してみましょう。
制作スケジュールのサンプルをチェック!こうやって活用しよう
制作スケジュールはその名の通り…
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