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【ウェビナーまとめ記事】ビデオグラファー1人でここまで出来ちゃう!?ATEMスイッチャーを限界まで活かしきる、基礎~番組レベルのライブ配信のつくり方

2021.09.07 (最終更新日: 2021.09.22)

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コロナ禍によって、急激に需要が高まった「ライブ配信」。PRイベントやWebセミナーなどでライブ配信を企画する企業も増え、ビデオグラファーであっても配信依頼を受けることが増えているのではないでしょうか。

では、ビデオグラファーが仕事として受けるために、最低限必要なことは何でしょうか?どこまでの表現を、ワンオペで出来るのでしょうか?

今回のウェビナーでは 「ビデオグラファーがワンオペでどこまで出来るのか」を軸に、初級~中級者向けにライブ配信の基礎的な機材やセオリーの解説 を行いました。

使い勝手の良いデザインで直感的に操作することが可能なBlackmagic Design社「ATEMシリーズ」 にフォーカスして解説していきます。

  • 講師森田 良紀

    mix&rec engineer。株式会社ニルヴァーナ 代表取締役。レコーディングスタジオstudio forestaを拠点にレコーディングからライブ配信、ライブ中継、MV制作などを行う。メジャーアーティストのスタジオライブ中継は国内最多実績を誇り、今、国内で「最も音のいい音楽系ライブ配信」を手掛けるトップランナー。2000年からレコーディングエンジニアとして活躍。AI、moumoon、大森靖子、豊崎愛生などの録音、ミックスを担当。

  • 講師伊藤 洸一

    元テレビ朝日報道制作スタッフとして、常に現実と向き合い、目の前で起きることに接し続ける日々の中で、人のつながりや、人の生を映像として残すことに強く惹かれ、ウェンディング映像の師に指導を仰ぐ。多くのウェディング現場を経験した中で、人を魅了する画の撮影方法、編集方法の理論を自ら確立。 多数の結婚式場、ホテルにて高評価を得る。現在はVook所属ビデオグラファーとして、映像制作やライブ配信を担当。

👉ウェビナーの様子はこちらから動画でもご覧頂くことが出来ます
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ビデオグラファ―1人でここまで出来ちゃう!?ATEMスイッチャーを限界まで活かしきる、基礎〜番組レベルのライブ配信のつくり方

収録とは違う、ライブ配信の醍醐味

近年需要が増しているライブ配信。収録ではないリアルタイムでの配信は、どのような特徴があるのでしょうか? 森田さん、伊藤さんそれぞれに、ライブ配信の醍醐味をお聞きしました。

伊藤:ライブ配信は「すべてが本番」で、リスクがかなり高いのが特徴の一つ。映像が中断するトラブルがあっても、イベント自体は関係なしに進んでいきます。ハラハラ感が常にありながらも、ある種の「怖いものの楽しさ」がありますね。

森田:私は音楽ものが多いので、アーティストがその瞬間にだけ出すパフォーマンスを間近で見聞きしながら、ユーザーに届けられるのが楽しいですね。はやりレコーディングとライブとではパフォーマンスが違います。その瞬間を目の当たりにした時はアドレナリンが出ますね。

また、自分がライブ配信をするときは必ずチャットのコメントを見ています。反応を見ながら「もっと寄って欲しい」「切り替えが多すぎる」などのユーザーの意見をリアルタイムに反映していくこともありますし、視聴者が反応してくれると楽しくなりますね。ユーザーの反応がダイレクトに返ってくるのは、ライブ配信ならではの醍醐味ではないでしょうか。

伊藤:「コメント一つひとつが手紙」みたいな効果がありますよね。優しい言葉をかけられると、力が湧きます。これはライブ配信ならではだなと思います。

ライブ配信を一般化させた「ATEM Mini」シリーズ

ライブ配信で重要な機材の一つに「スイッチャー」があります。これは複数台の画面入力を管理し、実際の配信先に映し出す画面を切り替える機材です。今回、ライブ配信を円滑に進めてくれるスイッチャーとして「ATEM Mini」シリーズを引き合いに紹介しました。

「ATEM Mini」シリーズ
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/atemmini

伊藤:「ATEM Mini」が出てから、YouTuberはみんなこれを持つようになりましたね。これがあれば、映像の知見が深くなくても配信ができます。私自身も会社で使うんですが、企業でプレゼンする時や、いくつかパソコンを繋いでの配信をする時にも便利な機材です。

森田:「ATEM Mini」が出たことによって「スイッチャー」という言葉が一般的になったと言ってもいいのではないでしょうか。それぐらい画期的な機材だと思います。

ATEM Mini
https://www.blackmagicdesign.com/jp/store/atem-live-production/live-production-switchers/W-APS-13

森田:オススメするポイントとしては、4つの入力管理をパッと切り替えられる上に、カメラの解像度を気にしなくていい点ですね。「ATEM Mini」が出始めた当時、他のメーカーだとクロスコンバーター等に繋がなければいけないものも多くあったので、入力の自由度がかなり改善されたと思います。

今回のようにZoomでウェビナーをやるときも簡単に使えますし、値段も含め、キャプチャー機器としても本当に優秀です。

ライブ配信を一般化したと言っても良い「ATEM Mini」。この他にも用途に合わせて様々な種類が出てきています。

ATEM Mini Pro ISO
https://www.blackmagicdesign.com/jp/store/atem-live-production/live-production-switchers/W-APS-15

森田:「ATEM Mini Pro ISO」は直接配信とマルチビューが特徴で、これがATEM Miniと大きく変わったポイント。普段マルチビューモニターを見て配信していることもあり、私はこちらを買いました。外部のレコーダーを用意しなくても、USBメディアで気楽に映像を記録できるのもポイントです。

他の機能はATEM Miniとそこまで変わらないのですが、YouTubeライブに直接配信ができるのは大きな魅力ですね。これにより、OBSなどのアプリケーションを使用しなくても配信できるようになりました。

伊藤DaVinci Resolveのプロジェクトデータとして、スイッチングデータを得られるのはかなり魅力的です。モーションモンスターのセッションの一つ「デザイナーのためのモーショングラフィックスことはじめ」で、二者対談を3カメで収録したんですが、後で編集ソフト上で一からカメラのスイッチングをつくるのが大変だと思ったので、DaVinci Resolveのプロジェクトデータとして自動保存する機能を使いました。

現場でスイッチングしたものがそのまま完成パッケージになり、プロジェクトデータとしても残るので、「このカットを少し伸ばそうかな」という時もプロジェクトデータを微調整するだけで修正可能。収録が本当に楽になりました。収録はH.264固定ですが、用途によってはポスプロが楽になりますね。

森田:以前トークものの配信で、クライアントさんから「どうしてもここを差し替えたい」と要望をうけて修正した経験があります。MP4のパラデータですが、使えないほど画質が悪いということもなく、納品できるクオリティ。そういう使い方としては相当良いですね。「これ、最初から使っていればよかったな...」とも思いました(笑)

ATEM Mini Extreme
https://www.blackmagicdesign.com/jp/store/atem-live-production/live-production-switchers/W-APS-17

ATEM Mini Extreme ISO
https://www.blackmagicdesign.com/jp/store/atem-live-production/live-production-switchers/W-APS-18

森田:「ATEM Mini Extreme ISO」は「買わざるを得ないな」という気持ちで購入しました。この機種には、Blackmagic Designさんの高級機と同じ機能が丸々入っている上に、それ以上の機能が搭載されています。小中規模ウェビナーや対談配信にも問題なく使えますし、eスポーツなどにも使えます。外部コントローラを接続する事も出来るので見た目以上の事が何でも出来てしまいますね。

一番のポイントは「Super Source」が使えること。凝った配信画面のレイアウトができるのは大きなポイントです。あとは、プログラムアウトとマルチビューを別々にアウトできるのも良いですね。USBも2つ付いていて、パラ収録とキャプチャーも一緒に使える。

今までこれらの機能を使うためには、100万円近い機材を用意する必要がありました。「ATEM Mini Extreme ISO」は全部盛りです(笑)。できないことを探す方が難しいですね。

ワンオペ配信のコツと、配信の裏側

ゲストの伊藤さんによる「ビデオグラファーが1人でやってみた」ということで、Vookで行ったウェビナー「居酒屋Vook」の裏側を、伊藤さん本人に解説していただきました。こちらで「居酒屋Vook <レクチャー篇>」のアーカイブ動画 をご視聴頂けます。

伊藤:「居酒屋Vook」ではATEM Mini Extremeを使ってライブ配信を行いました。少し机の上がごちゃごちゃしていますが、スイッチャーの周りには、パソコンと音声のミキサー、機材を冷やすための扇風機だけ。機材だけで見れば非常にシンプルかと思います。撮影は4つのカメラと、上からガンマイクを差し込んだような形で行っています。

伊藤:右側にはそれぞれスライド用と映像用のPCがあります。細かい動作を1人でやるので、シンプルなオペレーションができるように仕込み、なるべく手数を減らして配信できるようにしました

伊藤:こちらが仕込み図になります。カメラは、LUMIXのGHシリーズ3台を使って表情を捉え、S1Hで会場全体の引きを撮りました。全てHDMI出力です。

スライドのPCはそのままkeynoteを出力し、「Blackmagic Media Express」で映像を再生しています。映像は「Ultra Studio Monitor 3G」で他の画面が映らないようにしています。それをモニターするためにSDI OUTから「SHOGUN」というATOMOS製のモニターに繋いでいます。

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