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【ウェビナーまとめ記事】映画作りにヒントあり!俳優の魅力を引き出すコミュニケーションとは?

2021.11.16 (最終更新日: 2022.04.01)

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ビデオグラファーの皆さん、映像制作の中で「芝居」を演出する場面が増えてきてはいませんか?

商品のプロモーション映像やMV、ショートフィルムなどで、人間の心理描写を繊細に描きたい作品の場合、それらを演じる 「俳優」 の存在はとても重要になります。

しかし、 「こういう表情をして欲しい」「こんな雰囲気で話してほしい」 と自分の中ではイメージがあっても、俳優に上手く伝えられていないことも多いのではないでしょうか。

10月14日に行われたウェビナー「映画作りにヒントあり!俳優の魅力を引き出すコミュニケーションとは」では、俳優の演技が最も際立つ 「映画」 の制作現場にあるヒントから、「俳優の魅力の引き出し方」 について学びました。

  • 講師三谷一夫

    映画24区代表/映画プロデューサー。関西学院大学を卒業後、東京三菱銀行にて10年間、エンタテインメント系企業の支援などを担当する。2008年「パッチギ!」「フラガール」を生んだ映画会社の再建に参加。2009年に「映画人の育成」「映画を活用した地域プロデュース」を掲げて映画24区を設立。最近のプロデュース参加作品に『21世紀の女の子』や全国の自治体とタッグを組んだ『ぼくらのレシピ図鑑』シリーズなど。著書に「俳優の演技訓練」「俳優の教科書」(いずれもフィルムアート社)がある。 「映画24区」公式サイト:http://eiga24ku.jp/。

  • 講師渡邉 梨香子

    俳優。ACALINO TOKYO所属。日本大学藝術学部映画学科演技コース卒業後、映画24区トレーニングの特待生として訓練を積む。映画『夏、至るころ』(監督:池田エライザ/2020)ではアシスタントプロデューサーとして参加し、女優業だけでなくプロデュース業にも活動の幅を拡げている。主な出演作に映画『グラフィティ·グラフィティ!』(監督:松尾豪/2019)、映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』(監督:山戸結希/2019)等。

👉ウェビナーの様子はこちらから動画でもご覧頂くことが出来ます

映画づくりにヒントあり!俳優の魅力を引き出すコミュニケーションとは

「脚本」でむすばれる演出家と俳優の信頼関係

**三谷**:映像制作をする方なら、「求めていることが俳優に上手く伝えられない」ことは往々にしてあるでしょうが、悩みの多くは「繊細な表現」だと思います。これを解決するヒントは、映画作りの過程を紐解いていく中から得ることができるかもしれません。そもそも映画の演技とはどんなものなのか、テレビとの比較からみていきましょう。

まずは「料金」。映画は鑑賞するために1800円のお金がかかります。一方、テレビドラマはテレビがあればお金はかかりません。画面のサイズも、映画には大きなスクリーンがあり、テレビは何十インチ。これだけでも、違いが明白です。

でも演技の観点でみた場合、一番大きな違いは **「鑑賞の環境」** なのです。テレビは基本的にながらで見ることが多いですが、映画は目の前のスクリーンに集中せざるをえない環境を強いられます。つまり、映画館の席に座ったお客さんは、俳優のわずかな息遣いや動きまでもがはっきりと観えてしまうのです。

そのため、映画では、テレビドラマのように誰がいつみても分かりやすい演技ではなく、繊細な演技が俳優に求められます。映画作りの現場において、監督と俳優の間で何が最も大事とされているのか。それを知ることで、演出家が俳優に上手く伝えられない悩みを解決できるのではないかと考えます。

私は、「俳優に如何にして演技のイメージを伝えるか」ではなく、「俳優自らが考えて動ける環境をつくること」が演出家にとっては重要だと考えています。一方、俳優は、演出家の演出をただ待つのではなく、モノづくりに積極的に参加する姿勢が必要なのです。 そのためには、短い撮影の期間で演出家と俳優がどれだけ信頼関係を作っていけるが重要になってきます。

**三谷:映画作りにおいて、演出家と俳優の信頼関係が重宝される背景には、制作現場の現状を知っておく必要があります。映画全体の製作期間を仮に3年とした場合、一番時間がかかっているのは「脚本作り」です。** 期間でいうと3年に対して2年ほど。残りの1年で撮影·編集·宣伝を行っています。俳優が頭の脚本作りから関わるケースは少なく、たいてい撮影工程の途中から参加して、途中で終わります。なので、ものづくり全体からみた場合、俳優が関わる時間は実質数%程度なのです。

そのため、俳優はものづくり全体を俯瞰でみれる機会が少なく、ともすればものづくりの一員として作品に参加していることを実感しづらかったりします。でも、だからこそ、プロデューサーや監督は俳優に作品作りに能動的に参加していただくため、より作品に惹き込むために、長い期間をかけて練られた脚本を準備するのです。極端かもしれませんが、脚本は **「俳優に渡すラブレター」** とまで言われるほど重要なものなのです。

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