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【サンプル配布あり】制作進行に必要な書類や契約書の悩みを解決! STEP8 業務委託契約書(再委託)

2022.03.18 (最終更新日: 2023.02.14)

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予算表、PPM資料、業務委託契約書、出演承諾書…etc.。関わるスタッフが増え、制作の規模が大きくなるほど、必要書類の数は増え、作成にかかる手間も増えていく…そんなお悩みを抱える映像クリエイターは多いのではないでしょうか?

この連載では、なかなか学べる機会のないこうした契約書・制作管理書類に関する知識と情報を発信していきます。記事の中ですぐに使えるサンプルフォーマットも配布中です

STEP8は、「業務委託契約書(再委託)」をご紹介。映像クリエイターに協力を仰ぐ再委託で注意すべきポイントとは? 小池隆太さんに、「業務委託契約書(再委託)」で確認しなければいけない項目や注意するべきポイントについてお伺いしました。

  • 映画監督/プロデューサー/中国コーディネーター小池 隆太

    城西国際大学メディア学部卒業。学生時代から様々な制作会社でアルバイトとして経験を積む。卒業後、中国に留学し北京電影学院美術学部新媒体芸術修士課程を終了。AOI Asia Beijingにて2年間プロデューサーとしてCM制作に携わる。その後、現地の映画制作会社・北京金色池塘媒体有限公司に転職。主に日中合作の実写化映画・アニメ制作を行う。現在は帰国し、フリーで日中合作作品や中国案件・日本案件等様々な仕事に携わっている。 初監督作品として、『鏡像のイデア』を制作中。

業務委託契約書を交わす前に必ず確認したい、「業務委託契約書」「発注書/発注請書」 はこちら!

【STEP6、7 業務委託契約書、発注書/発注請書】

【サンプル配布あり】制作進行に必要な書類や契約書の悩みを解決! STEP6、7 業務委託契約書・発注書/発注請書

予算表、PPM資料、業務委託契約書、出演承諾書…etc.。 関わるスタッフが増え、制作の規模が大きくなるほど、必要書類の数は増え、作成にかかる手間も増えていく…そんなお悩みを抱える映像クリエイタ...

業務委託契約書(再委託)の基礎

小池: 前回解説した「業務委託契約書」は、クライアントとプロダクションが結ぶ契約書でしたが、今回はプロダクションと個人のクリエイターが結ぶ ***「再委託」* の契約書です。**

どういった時に、この書類が必要になってくるのか。プロダクションがクライアントから制作を頼まれたあとに、制作スタッフが足りない時や特別な技術を持ったスタッフが必要になった時、いわゆるプロダクションの外部の個人クリエイターへ協力を仰ぐ時に必要になってくる書類です。

この書類で注意するポイントは、前回の「業務委託契約書」で解説した箇所です。

👉業務委託契約書については、こちらで解説

【サンプル配布あり】制作進行に必要な書類や契約書の悩みを解決! STEP6、7 業務委託契約書・発注書/発注請書

予算表、PPM資料、業務委託契約書、出演承諾書…etc.。 関わるスタッフが増え、制作の規模が大きくなるほど、必要書類の数は増え、作成にかかる手間も増えていく…そんなお悩みを抱える映像クリエイタ...

基本的には税の扱いなど前回解説したポイントと同じですが、稼働時に掛かる費用はどうするのかを確認しましょう。

例えば、撮影の集合場所に向かうまでに掛かる交通費など、細かい出費の扱いです。ロケハンに同行する場合、費用が出るのかも確認して下さい。製作費が数億円規模の映画撮影などではロケハンの費用がプロダクション持ちになることが多いですが、小さい規模の撮影では制作側の出費になることが多いです。案件によって条件がさまざまですので、明確にしておきましょう。基本的にロケハンは必要なものですので、どういう条件なのか確認して下さい。

もし費用がプロダクション持ちならば、撮影後に精算するケースが多いでしょう。その際に、領収書が必要になります。 領収書に記載する宛名も確認して下さい。その場合は、記載すべき宛名が契約書の中で指定されていますので、漏らさずチェックしましょう。

その他、カメラマンなどの技術職の方は機材が絶対必須になるので、機材費がどう支払われるのか、また個人での持ち込み機材の場合はどのように扱うのかを確認しましょう。

税金の扱いをより明確に

小池: 規模の大きい映画撮影やCMの撮影になると、再委託の契約書を結びます。ただ正直な話、今現在個人で活動している映像クリエイターの方々で、規模の小さい現場や個人同士の依頼などでは、契約書を結ばずに口頭での約束のみ、もしくは見積書を発行しただけで撮影に赴くことが多いのが現状かと思います。

信頼関係のある方々のやりとりなので成り立っているとは思いますが、トラブルになった際は責任の所在があやふやになってしまい、対処が難しいでしょう。お互いに信頼関係のもと仕事をしているのに、トラブルで責任の所在があやふやになってしまうと、しこりが残りかねません。契約書でしっかりと明記しておくことは、お互いのためにもなりますし。個人のクリエイターさんにとっては、身を守るものになります。

個人的には、まだまだ再委託の契約書は業界に浸透しきっていないと思います。ですが、今後は個人のクリエイターでも結ぶようになってくると予想しています。というのも、今回の契約書とは話がズレるので詳しくは解説しませんが、2023年10月1日よりインボイス制度(※)が導入されるため、より税金の扱いについて明確にしなければならなくなるからです。

(※)国税庁/インボイス制度 公表サイト
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm

小池: このインボイス制度を理解していないと、金銭面でのトラブルが必ず起こると思っています。導入までにしっかりと理解しておきましょう。

業務委託契約書(再委託)のサンプルをチェック! こうやって活用しよう

業務委託契約書(再委託)、発注書はその名の通り……

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