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「考え、作り、評価を受ける」 “作る上での考え方”は、その繰り返しで身につける|Vook school MGコース メンター:ヌル1さん インタビュー

2021年11月に開校したVook school。最大の特徴は、第一線で活躍するプロの映像クリエイターたちが日々の学習をあらゆる面でサポートする「メンター制度」です。

このシリーズ企画では、そんなメンターのパーソナリティに迫るインタビューをお届けします。第5回目となる今回は、モーショングラフィックスコースでメンターを務めるヌル1さん。現在、モーションデザイナーとしてCMなど多岐に渡る映像制作を手がけるヌル1さんの仕事の原点ややりがいなど、幅広くお話を伺いました。


ヌル1
札幌でポスプロエディターとして様々な映像編集・モーショングラフィックスに15年間携わり、2021年に独立。
現在はモーションデザイナーとして、CM・企業PV・ゲーム関係など、幅広いジャンルの映像制作に携わる。
SNSではヌル1名義で活動中。個人制作にも力をいれている。
Webhttps://www.green-ml.jp/
X(Twitter)https://twitter.com/null1tips

初めて公にしたモーショングラフィックスの自主制作作品に対する高い評価が、独立への自信に

まずは、現在のお仕事について詳しく教えてください。

現在はモーションデザイナーとして独立して約2年が経ちました。主にモーショングラフィックスを使ったCMや、CMと連動したWeb動画等の広告動画制作をはじめ、企業の商品説明・サービス紹介のインフォグラフィックスアニメーションなど、幅広い映像制作に携わっています。

▼ ヌル1さんの制作実績の一部

独立する前は実写の映像制作会社で長く働いていたので、そこで繋がった方や制作会社からお仕事をいただくことも多いです。また、独立後に営業したり展示会に出展したりして、東京を中心としたルートを独自で切り拓いてきました。

現在は札幌を拠点としていて、地元のお仕事では直接出向くこともありますが、基本的にはフルリモートで子供たちとの時間も大事にしながら働いています。

映像制作を始めたきっかけは何でしたか?

私が高校2年生くらいの頃に、映画『トイ・ストーリー』を観たことがきっかけでした。その面白さと映像の楽しさにものすごく衝撃を受けたんですよね。「こういう映像を自分で作ってみたい」と思い、制作を始めました。今でこそ Blenderという高機能なソフトウェアがありますが、当時はツールも今ほど充実しておらず......。そんな中、マイナーな無料のソフトを駆使しながら様々な映像制作を行なっていました。

そこから映像制作の楽しさにどんどんハマっていき、「将来は映像制作を仕事にしたい」と思うようになりました。その流れでCG系の専門学校に進み、「映像が好き」という想いでこれまで映像制作に携わり続けてきました。

現在はモーションデザイナーとして独立されているヌル1さんですが、これまでの経緯を伺えますか?

まず、専門学校時代はゲーム系やCGを使った映画の制作会社などへの就職を目指していたのですが、札幌の小さな専門学校からそういった会社に入るのはなかなか難しくて......。最初は実写の映像制作会社に入り、映像制作の経験を積んでいくことにしました。

その会社に勤めて以来、実写の映像制作に15年以上携わっていたのですが、「いずれはCGやモーショングラフィックスをやりたい」と周囲にずっと話していたんですよね。すると、徐々にそういう仕事も任せてもらえるようになってきました。

とはいえ仕事では実写がメインだったので、今後は自分が好きなモーショングラフィックスに軸を移したいなと独立もなんとなく視野に入れていたのですが、当時はそのために何をすれば良いかもよくわかっておらず。そんな時、所属していた映像のオンラインサークル「ECHO」で映像系イベントが開催されることになったんです。そこでまず「“自分が作りたいもの”を作って、人に見てもらいたい」と思い、勢いのままにモーショングラフィックスを自主制作しました。

当時作成した『ECHO イメージムービー「みんなのチカラ」篇

すると、この作品が自分が思っていたよりも非常に高い評価を受け、自信に直結しました。この出来事が独立を決めた一番大きなきっかけですね。

また、もう1つの理由としては、将来的に地元の十勝に移住したいと思っていたこともあります。それならば独立した方が移住しやすくなりますし、仕事でもできることの可能性が広がると考え、独立を決意しました。

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PR:Vook school

「作ったものを人に見てもらい、評価を受ける」この繰り返しが成長に繋がった

モーショングラフィックスのスキルはどのように身につけてこられましたか?

当時の仕事は実写がメインではありつつも、テロップを少し動かしたりなどAfter Effectsに触れる機会はあったので、ソフトの学習はずっと続けてきました。
勉強法としてはシンプルに「ひたすら調べる」方法です。当時はウェビナーやYouTubeのチュートリアルなども全くない時代でしたし、教えてくれる先輩もいなかったので、とにかくネット上のいろいろなサイトを見て調べながら作ってみて、わからないことがあればまた調べて、ということを繰り返して習得していきました。

さらに、その作ったものに対して社内外のクリエイティブディレクターなど周りの方にフィードバックをもらって、改善していくということも繰り返し行なっていました。完成して終わりではなく、自分で作ったものを人に見てもらい、評価を受けるという繰り返しを続けてきたことが成長に繋がったんじゃないかなと思っています。

リピートの依頼も多いというヌル1さんですが、お仕事ではどんなことを意識されていますか?

それぞれのターゲットやコンセプトに合った映像になるようにモーションをデザインすることを心がけています。

例えば、ターゲットが若い方であれば短尺でテンポの良い動画であったり、文字がお洒落でかっこいいモーションが好まれます。反対に、年配の方向けであれば見やすいように文字はゆっくり大きく見せるとか。ターゲットによって重要な要素が全く違うので、その辺りを踏まえて表現をするように心がけています。

さらに、ターゲットだけでなく動画を見せる媒体も重要で、テレビやスマホなど媒体によって文字などの見やすい大きさが変わってくるので、「どこで見せるのか」も考えた上でデザインしています。

また、クライアントとのコミュニケーションでは、常に相手の状況に立つことを意識しています。例えば、担当の方が上司や決裁者など別の方に説明しないといけない状況ってよくありますよね。その時の助けになるように説明用の資料を作ってお渡しするとか、相手の仕事が楽になるような提案の仕方や気遣いは常に心がけています。

自主制作やお仕事における作品づくりで、こだわっているポイントはありますか。

自主制作でも仕事でも共通することなのですが、魅せるべきポイントをしっかり魅せるようにしています。モーショングラフィックスの特長として「わかりやすく伝えること」と「華やかに見せること」という大きく分けて2つのポイントがあると私は思っていて、カットごとにそのバランスを調整していくことを自分の中で大事にしています。

例えば、マニュアル動画であれば伝えたい文字要素だけを動かすなど、できるだけわかりやすくシンプルにします。逆に、CMなどは目を惹くために全体的に華やかな要素を多くするなど、作品全体でもカット単位でも、わかりやすさと華やかさのバランスに配慮して作るようにしています。

このバランス感覚や考え方自体は、実写でもモーショングラフィックスでも変わらないと思っていて、私自身も実写で学んできた構成のバランス感覚がモーショングラフィックスにもかなり活きていると感じています。こういう感覚は仕事の中で掴んでいくことも多いですし、個人的には好きなモーショングラフィックスの作品を時間をかけて細部まで分析するということもよくやっていますよ。感覚を磨くために効果的な方法だと思います。

映像クリエイターは、創り出したものが人の喜びにつながる唯一無二の職業

メンターとして、普段どのようなことを心がけて勤務されていますか?

Vook schoolに来られる方それぞれに様々な背景があるかと思いますが、まずは皆さんにモーショングラフィックスを好きになってほしいという想いが第一にあります。受講生の方との会話の中ではできるだけネガティブな感情を感じさせないような言葉遣いや接し方を心がけています。

仕事となると大変なことももちろんありますが、その時に支えとなるのが自分自身が「この仕事を好き」という想いだと思うんですよね。私が『トイ・ストーリー』という作品に出会って以来、好きという想いで映像制作を続けてきたように、皆さんにもこれからの自分の軸となる”好き”の気持ちを持っていただけたら嬉しいです。

受講生の方々とのコミュニケーションにおいては、どういったことを意識されていますか?

例えば、カリキュラムの中に課題提出があるのですが、その時に多くの方が自分なりに課題をアレンジしてポイントを伝えてくださるので、その想いやポイントを理解した上でフィードバックするようにしています。

スキルはカリキュラムをこなしていくだけである程度身につくと思いますが、“制作する上での考え方”を育てるには、自ら考えたものに対してメンターからフィードバックを受けることの繰り返しが必要です。私も経験してきたように、それが自信やスキルを高めていくことにも繋がっていくと思いますので、特に丁寧にお返事するように心がけています。

メンターはプロとして活躍されている方ばかりですし、Vook schoolでの学びをより良いものにするために、ぜひメンター制度をフル活用してほしいです。フィードバックの他にも、雑談ベースの会話でも相談でも何でもいいのでメンターとたくさん話して、卒業後に自立してプロの映像クリエイターとしての道を歩めるようになっていっていただけると嬉しいですね。

映像クリエイターを目指している方々に向けてメッセージをお願いします!

映像クリエイターは与えられた仕事をただこなすのではなく、自分が提案して生み出したもので人を喜ばせることができる、他にはない醍醐味を感じられる素敵な仕事だと思っています。

私自身も自分が作ったものが好評だった時が何より嬉しいですし、自分のスキルが人に必要とされているという実感を持ちながら仕事ができていることに充実感や喜びを感じています。そういった想いや楽しさをたくさん感じられる仕事なので、やってみたいと思っている方はぜひまずはチャレンジしてみてほしいです。

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INTERVIEW_金子友香 / Yuka Kaneko
EDIT_山北麻衣 / Mai Yamakita(Vook編集部)

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