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【ウェビナーまとめ記事】また仕事がしたくなる!チームを導くプロデュース力 3つのヒント - チーム作り編 -

2022.03.25 (最終更新日: 2022.03.25)

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映像クリエイターとして仕事をしている中で、自らプロデュース業務を担うケースや、プロジェクトの規模が大きくなって「1人では捌ききれない」と感じたことはありませんか?そんな時こそ、チーム作りが大きな助けになります。

早く行きたければ一人で行け。遠くへ行きたければみんなで行け。

それを身をもって実感し、行動してきたのがノーミーツ主宰の広屋さん。「プロデュース力」 をテーマに、チーム作りの必要性と実際の作り方について伺ったウェビナーを、記事にしてお届けします。

  • ストーリーレーベル ノーミーツ主宰 / 株式会社Meets代表広屋 佑規

    ストーリーレーベル ノーミーツ主宰 / 株式会社Meets代表。1度目の緊急事態宣言禍において、オンライン演劇を主軸に活動する「劇団ノーミーツ」旗揚げ。3作の長編公演やサンリオピューロランド、HKT48とのコラボ公演等を実現し、観客動員数は累計3万人超え。演劇に限らず、ドラマ、番組、映画など50以上の物語を生み出す。文化庁メディア芸術祭、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS、AMDアワードなど受賞。

「プロデュース力 3つのヒント - 企画書編 -」も記事でお楽しみいただけます!

【ウェビナーまとめ記事】また仕事がしたくなる!チームを導くプロデュース力 3つのヒント - 企画書編 -

映像クリエイター自ら 「プロデュース業務」 を行うケースが増えてきてはいませんか?“良いプロデューサーとは?” という知見やノウハウはあまり体系化されておらず、経験のない方にとっては、手探りでや...


こちらの内容を、アーカイブ動画でご覧いただくことも可能です!
また仕事がしたくなる!チームを導くプロデュース力 3つのヒント チーム作り篇

1. ノーミーツが3人から26人になるまで

もともと僕達は2020年4月の、一度目の緊急事態宣言の際に「劇団ノーミーツ」という名前で旗揚げしました。当時は名前の通り、「一度も会わずに(no meets)作る」ということをコンセプトに、Zoomを舞台に見立てて芝居を作る「Zoom演劇」からスタート。最初は短編を発表していましたが、長編にチャレンジしたり、今はZoomに限らず演劇を生配信したり、様々な作品を制作しています。

立ち上げ当初は僕と林健太郎小御門優一郎という3人の共同主宰というかたちで始めて、2年経った現在のメンバーは26名です。多様なメンバーが集まっていて、形式としては ” ギルド型組織 ” に近いと思います。

※ギルド型組織… 専門的なスキルを持つプロフェッショナルが会社という制約にとらわれずに集う組織

現在は「会わずに作る」という条件を解禁し、「物語を作る」「物語を届ける」を軸に、「ストーリーレーベル」として活動しています。

ノーミーツは「新しい表現形式に面白さを感じているチーム」。最近では、閉園後のサンリオピューロランドからの生配信や、ニッポン放送の館内を舞台にした生配信を企画するなど、「挑戦」を軸に活動を続けています。

2. チーム作りに欠かせない、<プロデューサー> という役割

26名にメンバーが増えたノーミーツですが、「なぜチーム作りが必要だったか?」というと、「1人だとできないことがあるから」というのが理由の一つだと思います。

もちろん自分1人だとすべてが自由に決められるので、良い部分もあるでしょう。けれどアフリカのことわざにあるように、「遠くへ行きたければみんなで行け」なんですよね。

僕としては、「遠くに行ける」チームに欠かせないのが<プロデューサー>という存在だと思っていて、その定義として、「企画を立てて/目標を定めて/目標に対し責任を持ち/実現のために推進する人」と考えています。

ひとえに「プロデュース」といっても、大きく4つの領域があります。

まず<企画プロデュース>という領域。そしてそれを形にする<制作プロデュース>の領域。ビジネスとして成立させる<ビジネスプロデュース>の領域。より多くのお客様に届けるために宣伝企画をする<宣伝プロデュース>の領域もあります。

これらの中で、一人のプロデューサーが「どんなふうにどこまで担当するか」、その都度考えながら進める必要があります。

映像クリエイターの方は、企画するところからプロデュース側として動くことが多いと思うので、今回は<企画プロデュース>にフォーカスしていきます。

チームを作るにあたり、まず大前提として「何をしたいのか」を考える必要があります。最初に<企画>があり、それを中心に周りを巻き込んで(チームを作って)いくというステップになります。

次に<フィジビリティ検証>。「企画が本当に実現できるのか?」「実際に世の中に受け入れられるのか?」を検証する工程です。

これらの段階を経て、ようやく<チーム作り>のフェーズに入っていきます。つまり、良いチームを作るには、まずは良い企画が必要だということ。逆に周りを巻き込めない時には、企画が良くない可能性を考えたりもします。

3. 【初期】1人の熱狂が、人を惹きつける“企画”となる

それでは実際に、僕が企画プロデューサーの立場としてどのようにチーム作りをしてきたのか、ノーミーツの事例をお話しします。

もともと僕は、海外で人気の「イマーシブシアター(体験型演劇作品)」と言われるエンタメのような新しい物語の見せ方を、日本で作っていきたいと思って、活動していました。

それがコロナ禍で、完全にできないという状況になったんです。仕事が全て飛んでしまって、まさにお先真っ暗でした。

でもそんな時に、「自宅に居ながらでもできることはないか?」と友人とZoomで話していて、「会話ができるなら、芝居もできるんじゃないか?」と、Zoom演劇を思いついたんです。

とはいえ自分1人では作れないので、企画に共感してくれる人や、一緒に作りたいと思ってくれる人を見つけようと、林健太郎に声をかけました。彼とそれまでエンタメ仲間として関わる中で、「新しい見せ方への反応が自分と近いな」と感じていましたが、企画を話してみると、予想通り 「自宅に居ながら挑戦できる」 ところに共感して「一緒にやってみよう」と言ってくれました。

さらに、脚本家・演出家が必要だということで、その場で小御門優一郎に声をかけ、その日の内に3人集まりました。「まずは作品を1つ作ってみよう」と、周りにいる俳優さんにお声掛けして、面白がってくれた人を集めて結成4日後の4/9に1本目の作品を発表。このスピード感が、ノーミーツを多くの方に知っていただけた要因の1つかなと思います。

その後、2〜3日に1本くらいのペースで作品を作ってTwitter上で発表していきました。初期の作品から数万回ほど再生されていましたが、その後中ヒットのものもジワジワとあり、Twitterのフォロワー数も伸びていきます。

そしてフォロワーが1万人くらいになったときに、『ダルい上司の打ち合わせ回避する方法考えた』という動画が最終的に3000万再生されるほどにまで成長したんです。これが、広く認知してもらえる起爆剤となる作品になりました。

4. メンバーを集めるための元手は、ギャランティだけじゃない

次の挑戦は、初めて長編のZoom演劇『門外不出モラトリアム』。5〜6人しかいなかったメンバーは、足りていない役割を埋めるかたちで周りに声掛けをした結果、13名に増えました

結果、その翌月(2020年5月)に上演することができ、有料販売でありながら5000名の方々に見ていただくことができました。

メンバーを増やしたい時、今ではチームに巻き込む人との相性はすごく気にしますが、初期は上手くいくかどうかより、企画に対して「やってみたい!」と言ってくれる人に入ってもらっていました。

ノーミーツの場合、ラッキーだったのは初期のメンバーが「一度も会わずに作る」というコンセプトや「自宅に居ながらできることがある」という部分に、ちゃんと共感軸がありました

売れるかどうかはやってみないとわからなかったので、スタッフ側は自主制作のような雰囲気で、最初からギャランティを確約していたわけではなかったんです。

もちろん役者さんへのギャランティはきちんと払っていましたが、スタッフ側もいつまでも無償で続けるわけにはいかないからこそ、『門外不出モラトリアム』は有料公演にするという判断をしました。結果的にチケットが5000枚売れたことで、ビジネスとして続けられるかもしれないということが、ようやくわかりました。

立ち上げの初期だけは、「面白そうだからやってみる」と、企画への共感を重視して集まってくれたメンバーがいたからこそ前進できたと思います。

5. 【発展期】チームの拡大にともなって顕在化した問題

1作品目である種の盛り上がりが作れたことで、オンラインでお芝居を届けるという新しい表現形式を、もっと追求できるだろうと考え、ノーミーツを法人化しました。「どういう組織のあり方が一番適しているか?」と考える中で、いわゆるギルド型組織というものを明確に認識し、目指し始めました

具体的には、チーム構成として社員が1/3 、別の会社と兼業しているメンバーが1/3、残りの1/3 がフリーランスというバランス。その中からプロジェクト単位でメンバーを集めて進めていく形式が、一番いいんじゃないか?ということで、長編2作目の『むこうのくに』を作りはじめました。

しかし、このあたりからだんだんと問題が顕在化してきました。一番の問題は、より大きな挑戦を前に必要な人員やコストが全く想像しきれていなかったことです。

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