2022.02.22 (最終更新日: 2022.06.06)

限界突破したGH6の描写力に迫る LUMIX GH6 レビュー

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はじめに

私とLUMIX GHシリーズの出会いは2010年発売のGH2に遡ります。当時は高品質な映像を大きなセンサで撮像すること自体が目新しく、私を夢中にさせてくれた記念すべきカメラがGH2でした。GH2ではファームウェアを書き換える(ハックする)事により、異様に高いビットレートで記録することが可能で、私もその撮影を楽しんでいた一人です。

その後、GHシリーズは発売される機種ごとに動画機としての機能を強化し、特にGH4で初めて4K動画を撮影した画を見た時は「スチルが動いている!」と度肝を抜かれたものでした。

GHシリーズは「5」となると、世界初のミラーレスカメラでの4K60p撮影を可能とし、派生機種のGH5Sではフルサイズ並みの高感度特性で動画撮影を実現し動画撮影に強いカメラとして着実な進化を遂げてきました。この数年、カメラのスチル機としての進化はやや飽和傾向にあると感じる一方、動画機としての側面に着目するとコーデックやビット深度、フレームレート、ダイナミックレンジの競争が激化しています。動画撮影はカメラ側のテクノロジの依存度が大きく、高解像度のスロー映像を撮りたいと思ってもカメラがそれに対応していなければ撮影をすることができません。つまり動画制作はカメラを変えると今まで撮れなかった表現領域が格段に広がりやすい分野なのです。

本日発表になったLUMIX GH6は、私がこの近年最も発表を待ち望んでいたカメラです。本記事ではGH6の動画の性能と画質にフォーカスし、このカメラが我々の撮影領域を如何に広げてくれるのかを少しでもお伝え出来たらと思います。

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GH6概要

カメラの主要なスペックを下記に記載いたします。

  • 画素数:25Mピクセル
  • 代表的な動画記録モード:  5.7K 60p,30p/4K120p,60p,30p,24p/FHD最大300fps@10bit
  • ISO感度(動画撮影時):  Std.プロファイル:ISO100(50)-12800@ダイナミックレンジブーストOFF時  Std.プロファイル:ISO800-12800@ダイナミックレンジブーストON時  V-Logプロファイル:ISO250(125)-12800@ダイナミックレンジブーストOFF時  V-Logプロファイル:ISO2000-12800@ダイナミックレンジブーストON時 ※( )内は拡張感度
  • 対応コーデック:H.264/H.265/AppleProRes422(HQ)
  • ボディ内手ブレ補正:5軸7.5段効果
  • メディアスロット:CFexpress type B x1 & SD x1 の2スロット構成
  • ダイナミックレンジ:13+STOP@ダイナミックレンジブーストON時
  • その他:オーバーヒート抑制ファン搭載、マグネシウム合金、防塵防滴耐低温-10度
  • V-Logプリインストール済み
  • 各種ポート:  HDMI A端子/USB3.2(PD対応)/TC IN/OUT端子/マイク/ヘッドフォン端子
  • 市場想定価格:26万3千円前後

値段に関して言えば、私自身はGH5の発売当時V-Log Lのオプション込みで25万円程度で購入したと記憶しています。その事を考えると昨今価格が値上がりするカメラが多い中でGH6の値段はほぼ据え置きという印象です。

GH6作例とファーストインプレッション

このカメラの画質や機能面に対する感想は次章に書かせて頂くとして、GH6で撮影した動画作例とファーストインプレッションを簡単に紹介したいと思います。

作例では4K30p/60pだけでなく4K120p/FHD300pのハイフレームレートや5.7K ProRes422HQ、ダイナミックレンジブーストなど複数のモードで撮影を試みました。素材を初めて見た映像品質のファーストインプレッションは、フルサイズカメラに対して全く見劣りしないどころか、このカメラでしか撮れない映像があると感じさせるものでした。

クロップ無しの高解像度オーバーサンプリングによる4K10bit120p撮影や、フルサイズカメラ並みのダイナミックレンジでの撮影を可能にするダイナミックレンジブースト、解像感の高いFHD10bit 300fps撮影、驚くほどのディテールを持つ5.7K60p撮影などその描写は完全にマイクロフォーサーズの限界を超えています。是非、上記作例を4K設定でご覧いただければ幸いです。

以下に、その高画質を支える技術についていくつかの説明と私なりの感想を述べたいと思います。

5.7Kという解像度

GH6の高解像度動画撮影では水平5728Pix / 垂直3024Pixという画素数となります。無論、一般的な4K解像度でオーバーサンプリング記録するモードも用意されていますが、撮像に寄与する画素数は高感度画質に定評のあるGH5Sの約2倍となります。

一般に画素数が多いほどピクセルレベルでのノイズは増え、またダイナミックレンジは低下します。ところが、このGH6のダイナミックレンジはGH5Sを凌駕しつつ高感度画質でも引けを取らないと感じました。

ここは私なりの推測ですが、メーカーとしてノイズ耐性、ダイナミックレンジ、解像度、高速撮影の一番バランスするポイントとしてこの5.7Kという解像度を選んだのではないかと思うのです。GH6は一点だけ飛び出た性能を得るというよりも全てが総合的にバランスする動画万能機を目指したという印象です。

Log撮影の最低感度はISO250/ダイナミックレンジブースト時ISO2000

Logプロファイルによる撮影ではスチルのガンマと異なり、ハイライト飽和までのレンジを確保するためベース感度が高めになるのが一般です。ところがGH6でのV-Log撮影時の最低感度はISO250と非常に扱い易い感度となっています。

尚、GH6ではISO2000が最低感度となる代わりに広いレンジを確保できる「ダイナミックレンジブースト」機能が備わっていますが、これに関しては後半の方で触れたいと思います。

また、Logプロファイルについて一点付け加えておくと、GH6では過去のGHシリーズで採用されていた「V-Log L」では無く、フルサイズやシネマカメラVARICAMで採用されている「V-Logガンマ」を名乗っています。これはフルサイズに近いダイナミックレンジで撮影できるGH6にとって当然の事なのかもしれません。

多彩な動画記録フォーマット

主要撮影モードは全て10bit化されています。昨年春の開発発表段階で個人的に一番気になっていたのがこのハイフレームレート時のクロップファクタでしたが、4K120pもクロップすることなく撮影ができます。また、4K60pまでは4:2:2のクロマサブサンプリングで記録することが可能です。

データレートはApple ProRes422HQが最大1.9Gbpsにまで達しており、本気の映像づくりが可能となっています。高データレート撮影をする際の注意点として、800Mbps以上の記録モードではCFexpressのみに記録できる仕様となっている事が挙げられます。SDカードの書き込み保証速度はV90のメディアを使った場合には720Mbpsとなりますのでこの点は致し方ないでしょう。

そのため、例えば4K60p ALL-I記録モードでは800Mbps/600Mbpsを選択できるようになっており、デュアル記録が必須である方向けの細かい配慮がされている点もLUMIXらしいという印象を受けました。

Apple ProRes422HQ/ProRes422記録

Apple ProResはAppleが開発した高品質な動画コーデックです。ほとんどのシネマカメラに搭載されているコーデックであり、多くの動画編集ソフト(NLE)がこのファイルを扱う事が可能です。データ量こそ大きいですが、高画質でありながら再生時のPC(CPU)の負荷が低いのが特徴です。現時点ではProRes422で記録できるのは5.7K30p/24pに限られますが、今後ファームウェアアップデートでC4K、FHDのProRes記録に対応する旨が既にアナウンスされています。

恐ろしい程効くボディ内手ブレ補正

ここ数年のLUMIXのボディ内手ブレ補正の進化は凄まじく、特に手ブレ補正ブーストをONにした際には、手持ちでありながらも三脚固定の様な撮影が可能となります。また、ブーストOFFの際にはパンした際に自然なカメラワークとなるような補正アルゴリズムとなっており、より動画撮影時に特化した手ブレ補正機構を搭載しています。

ただし一点気を付けるべきは、超広角レンズを使った際にボディ内手ブレ補正の効きの良さが周辺の歪みとして現れるケースがある事です。概ね35mm判換算24mm以上の領域においては同現象が出ることはありませんが、35mm判換算16mmなどの超広角レンズを使う場合にはポスト処理によるスタビライザーを併用すると綺麗に歪みを取り除く事が可能です。

オーバーヒート抑制用の空冷ファン搭載

まさか、マイクロフォーサーズカメラで空冷ファンを搭載するとは夢にも思っていませんでした。

動画を撮るカメラが熱で止まる事は趣味撮影なら許される事があったとしても、仕事上は許されない事です。また、一般の方が長時間の高画質記録をしたいというケースも増えてきています。パナソニック(GHシリーズ)の熱停止させないという強い拘りは、GH6では空冷ファンを搭載するという形になって表れているようです。

HDMI A端子、タリーランプ、前面RECボタン

多くのミラーレスカメラではミニ/マイクロHDMI端子が採用されていますが、GH6ではフル規格のA端子が採用されています。外部モニターなどでHDMI端子を使う頻度が高いGHユーザーにとっては当然の採用だと思います。

また、LUMIX S1H同様に前面にタリーランプが搭載されていますので、録画中かどうかをカメラ前方から簡単に確認する事ができます。後方にもタリーランプが配置されており、いずれのランプともOFFするか明るさを二段階で調整することが出来ます。

前面のRECボタンもS1H譲りです。特に三脚に載せてパン棒を右手で握った場合において、左手で押しやすい位置に配置されています。私もLUMIX S1Hを三脚に載せて撮影する場合には、この前面のRECボタンを多用しています。このボタンの有難さは一度使ってみると手放せないものです。

GH6の画質に対する感想

画質に関しては先に触れたように、高いレベルに仕上がっていると感じます。撮影した映像だけを見てもフルサイズで撮られたカメラと区別はつかないと思います。その画質を支える技術について私なりに解説したいと思います。

解像感

5.7Kの解像度から得られる解像感はGH5とは一線を画しています。これはGH6を使った直後に感じられるものです。光学ローパスレスという構造も相まってか明らかに従来のGHシリーズとは得られる画のシャープさは異なっており、撮影した映像を見ていても惚れ惚れしてしまうほどです。

4K120pの解像感

驚くべきはこのシャープさは4K120pでも低下することはありません。4K120pの撮影モードであっても元データは5.7Kからのオーバーサンプリングによるものと推測しています。4K120pが撮れるハイエンドなミラーレスカメラは数少ないながら存在しますが、それらのほとんどは画素混合やクロップなど、解像度低下や画角変化を招く手法で達成されるものという認識です。

一方でGH6の場合はそれらとは異なり、クロップすることなく全画素5.7Kを120fpsで読みだして4Kへオーバーサンプリング処理をしている様です。そうでなければこの解像感は説明がつかないと考えています。

この高品質、高解像度な4K120p撮影が出来ることはGH6の一番の「ウリ」だと思います。

4K120pでは認識AFが使用できない(通常AFは使用可能)、後述のダイナミックレンジブーストが使用できないという制限はあるものの、映像表現の幅を大きく広げてくれるものです。

ダイナミックレンジブースト

GH6は通常撮影(ダイナミックレンジブースト:OFF)であってもGH5SやGH5IIよりも広いダイナミックレンジで撮影することが可能ですが、更にダイナミックレンジブーストをONにさせることでハイライトクリップまでの余裕を約1STOP拡張することができます。

同機能は一度の露光で異なるゲインでの読み出しを行い、ハイライト側のレンジを拡張するものです。最低感度がISO2000となるため日中の屋外撮影などではNDフィルタを使う事が前提となりますが、美しいハイライト描写を得ることができます。

ダイナミックレンジブーストは4K120p撮影など一部のハイフレームレート撮影では適用できないものの、5.7K60pを含め、ほとんどの撮影モードで使用することが出来ます。故にこのモードは通常の撮影時においても積極的に使いたい機能だと思いますし、私はGH6のもう一つの「ウリ」はこの機能であると考えています。尚、ISO2000以上を使う30p/60pの夜間撮影等であれば、この機能を使わない理由は見当たりません。

下図はGH5SとGH6を同一光源下においてシャッタースピードを変更しながらダイナミックレンジを比較したものになります。

この図で注目頂きたいのは4EVを超えたあたりのトーンの違いになります。GH5Sでは5EVと5.5EV階調が失われているため既に5EVの状態で飽和している事が分かります。

一方、GH6では5EVそして5.5EVでも階調が得られている事がお分かりかと思います。ちょっとした違いに思われるかもしれませんが、例えば空などの明るい被写体でハイライトがクリップする寸前での描写に大きな威力を発揮します。このレンジの差は映像の表現の自由度を大きく広げるものであり、フルサイズカメラに近いダイナミックレンジを実現していると言えるでしょう。

尚、Netflix認証を受けているLUMIX S1Hはハイライト側に6.3EVまでのレンジを有していますが、そのレベルにこそ到達しないものの、普通に撮影していても明らかにハイライトの余裕が従来のマイクロフォーサーズカメラとは異なっている事を感じることができると思います。

高感度耐性

フルサイズミラーレスの高感度画質に迫るGH5Sに比べてGH6は画素ピッチが狭いという事もあり、当初はかなり高感度耐性は落ちるだろうという予測をしていました。ですが、その予想はいい意味でハズレていました。

フルサイズミラーレスのS1H並みという訳ではないですが、安価で明るいレンズが豊富なマイクロフォーサーズのレンズ群をもってすれば夜間の撮影でも十分な画質を得られます。概ね私の許容するISO感度はGH6では6400ですが、その許容できる感度はほぼGH5Sと同じものです。

GH6で待ち望んでいた機能・機構

チルトフリーアングル液晶

これはチルト液晶とバリアングル液晶を兼ね備えた機構となります。LUMIX S1Hで初めて採用されたものであり、当時は結構話題となりました。この機構の利点の一つはHDMI端子と干渉しない事です。また、ウェストレベルでの撮影ではバリアングルの様な横開きよりも光軸がずれないチルトを使う方が撮影しやすいため、チルトとバリアングル両方の形態で撮れる事の意味は非常に大きいと感じます。

フォーカスリミッター

GH6は像面位相差によるAFシステムが搭載されるという噂が絶えませんでしたが、同機はパナソニック独自のコントラストAF(DFD -Depth From Defocus-)をさらに強化したものになります。この方式は賛否が分かれるところであり、画素欠陥を有しない方式として高い画質を望むユーザーには好まれる傾向がある一方で、最新機種では頻度が低くなったとは言えピントの抜けやウォブリングが発生することから手軽に高品質なフォーカシングを行いたいユーザーにとっては扱いにくいと言われてきていた事も事実です。

私の場合は映りが少しでも低下する可能性があるのであれば、像面位相差を採用しない方が望ましいと考えているユーザーですが、やはりコンティニュアスフォーカスはカメラ側に任せたいというシチュエーションはあります。

今回のGH6ではGH5SやGH5M2でようやく使えるレベルになったと言われているAFよりも更に挙動が安定して撮影することが可能となりました。例えば、今までは顔認識がされているのにフォーカスが来ていないという事が発生することがありましたが、その頻度は確実に減ったと言えます。今回の作例ではAFで撮影しているカットも多いですが、目立ったウォブリングは発生せずコントラストAF技術一本だけでよくここまで達成したものだと感心します。

少し前置きが長くなりましたが、今回このDFDをアシストする機能としてフォーカスリミッターが実装されました。以前から、レンズのフォーカス位置をソフト的に制限できないかという事は、私のみならず多く要望があったと思いますが、この機能はピント合わせの範囲をユーザーが任意に設定する事ができる機能です。つまり、被写体との距離が最低でも数十メートル離れる様な航空機撮影の場合では簡単な設定を行えばレンズの最短撮影距離までピント探索をする事がなくなるのです。他にもポートレート撮影などの場合、ピントが背景に抜けてしまうということを設定で制限することが可能となります。

尚、このフォーカスリミッターは連続AFの時に有効な機能ですが、むしろMF時にも設定することができればフォローフォーカスを行いやすくなるはずです(尚、任意のフォーカスを予め設定し、自動でピン送りするフォーカストランジションは従来同様に使用できる)。是非ここはMF時でも同様の機能を実装して欲しいと感じました。

プレビュー時の背面液晶、HDMI出力同時出力

従来では映像の再生時においてカメラ側の背面液晶とHDMI出力を同時に行う事ができませんでした。つまり、HDMIでの再生を行っている際は撮影したクリップの選択を含めて本体液晶を見ながらの操作ができなかったのです。

とくにクライアントモニターを配置しての撮影では、記録映像のプレビュー時にカメラマンがクライアントモニター側を見る必要があったのですが、GH6では本体でのプレビューを行いつつHDMI出力ができるようになりました。かなり地味な機能改善ですが、これは仕事で使う方にとっては朗報なはずです。

動画撮影中の拡大表示が可能

過去のGHシリーズやSシリーズを含めて出来なかった機能が、動画撮影中の拡大表示であり、その実現は多くのユーザーが待ち望んでいたものです。以前は動画撮影中に厳密なピント合わせをマニュアルで行う場合は外部モニターを使って任意の領域を拡大する必要がありましたが、GH6ではそれが不要となります。動画撮影中におけるMFでのシビアなピント合わせも本体だけで行う事が可能となりました。

また、同機能ではピーキング表示もされる様に配慮されています。

GH6の細かすぎて伝わらない?マニアックな機能

GH6にはあまりにも細かすぎて伝わりにくい機能が複数備わっています。一見誰が使うのか?と思って試してみると想像以上に使えるものが多く、カメラマンからの意見を真面目にカメラに反映していると思えるものばかりです。

タリーランプ拡張の隠し機能

これはS1Hにもこっそりメーカーが実装していた機能です。ヘッドフォンジャックの未使用端子にREC中の認識信号が埋め込まれているというもので、私の知る限りこの機能を実装したのはS1Hに次いで2機目となります。電子工作が得意な知人にS1H用に作って頂いたタリーランプをGH6に接続してみたところ見事に使用できた事からこの実装事実は間違い無いものです。

これはメーカーも一般には公にしていない情報だと思いますし、今後もそのスタンスは変わらないのかもしれませんが、今後サードパーティによる外部タリーランプ発売がなされる日が来るかもしれません。

三脚穴とボス穴

GH6の三脚穴の前面にはボス穴が備わっています。ビデオボスがあるタイプの三脚やプレートを使用すれば、カメラを三脚に固定した時にツイストしてしまう事を防止できます。一般にこのボス穴はビデオカメラに備わっているものであり、ミラーレスカメラとしての搭載はLUMIX S1Hに次いで2機種目という認識です。これこそGH6が動画カメラとして使われる事を強く意識している事の表れかもしれません。

背面液晶、EVF同時出力

全てのLUMIXは今まで背面液晶とEVFの表示は排他仕様でした。つまり背面液晶が表示されている際はEVFは非表示に、EVFを表示させている際は背面液晶が非表示となる仕様です。これは通常の使い勝手を考えると当然の仕様の様に思えますが、EVFを前面側にフリップして演者さんにざっくりとした画角を見せつつカメラマンはファインダーを覗いて撮影を行うという事が可能となりました。

この機能はフリップして前面に向けている液晶画面に撮影待機、撮影中の画面が表示されるもので、液晶画面をカメラマン側に向けている際には表示されません。つまり撮影する側とされる側の双方が映像を確認できる様に想定して作られた機能であることは間違いないと思います。

カメラと一定の距離以上に離れた演者さんに対して、撮影中の画面をはっきり見せるためには使えないものではありますが、それでも比較的近距離の場合はカメラマンがどんな映像を撮影しているのかが被写体側として確認できるため有効な機能ですし、私は今回の撮影でもこの機能を多用しました。尚、至近距離での撮影でカメラ目線が必要な場合は演者さんには液晶を凝視させない様注意が必要になります。

シネスタイルファイル設定

GH6ではシネマカメラで用いられる様にカメラインデックス、リール番号、日付情報が分かる様なファイル名で記録することが可能となっています。今まではファイル名だけでは撮影日を判別することが出来ませんでした。GH6では複数のカメラを使用した際にもカメラ毎にカメラインデックスを設定する事ができるので撮影後のファイルの管理もしやすくなるはずです。

インスタントカスタム登録

カスタムダイヤルの秀逸さは多くのLUMIXユーザーの知るところで、飛びぬけて使いやすいのがLUMIXです。特にLUMIX S1以降のLUMIXでは設定次第で最後に設定したホワイトバランスや露出情報をそれぞれのカスタムダイヤルに記憶しつづける事ができるため、C1~C4に対して異なる動画モード(C1:5.7K30p/C2:5.7K60p/C3:4K120p/C4:FHD300p等)をアサインすることで露出が刻々と変化する状況においても、ダイヤルを切り替える事で簡単に動画モードを渡り歩く事ができるのです。

忙しい撮影現場でカメラ操作は最低限で行いたいというニーズに応えての機能だと思いますが、これに加えてGH6では任意のファンクションボタンにカスタムモード登録をアサインすることで、現在の撮影モードを一発でC1~C4に登録することが可能となりました。

LUTの.cubeファイル読み込み対応

33ポイントLUTに限られますが、GH6では.cube形式のLUT(ルックアップテーブル)の読み込み、適用表示が可能となりました(従来は.vltファイルのみの対応)。予めSDカード、CFexpressカードにLUTファイルを保存し、カメラに読み込ませる事でポスプロをイメージしながらの撮影を行う事ができます。当然ながらHDMI出力時においてもこのLUT適用表示を選択することが可能です。

まとめ

有難い事にイチGH大ファンとして発売に先駆けてGH6を試させて頂いた結果は、予想以上に満足のいくものでした。特にその画質には唸りました。そもそも開発発表時に私が心配していた画素数アップに伴う高感度耐性やダイナミックレンジの低下に関しては、良い意味で完全に予想を裏切ってくれました。技術の進歩でむしろそれらは大幅向上を達成し、いずれのモードにおいてもマイクロフォーサーズの画質限界を突破し私の撮影領域を大きく広げてくれるものと確信しました。

多くの機能を備え過酷な環境下でも長時間撮影を可能とするGHの称号に相応しい本機は趣味、仕事に大活躍することでしょう。フルサイズというフォーマットに参入しながらも全力でGH6を生み出してくれたパナソニックには感謝の言葉しかありません。

フルサイズで撮影する事も多い私ではありますが、こと映像という分野においてマイクロフォーサーズというフォーマットは幅広い動画撮影こなす理想の動画フォーマットであると信じている一人です。超望遠から超広角までコンパクトな比較的安価なシステムで撮影ができる一方、超大口径レンズを使えばフルサイズ並みのボケ描写も可能、F1.7通しのクレージーなズームレンズまで備える幅広いレンズ群、アナモフィックレンズに最適な4:3撮影機能、そしてフルサイズに負けない動画画質。フルサイズ全盛の時代においてもGH6で撮影する環境は心強いものです。

私がLUMIX Sシリーズボディ、レンズを所有しながらマイクロフォーサーズレンズを所有し続けているのは、GH6を迎える為に他なりません。新しいGH6という相棒と多くの思い出を動画として残していける喜びを噛みしめたいと思います。最後に限界突破したGH6そして開発に携わられた全ての人に拍手を送りたいと思います。


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